自分の真似をしたがる妹が、いつも心配だった。
武道に踏み込めば剣を、政に関われば書を。共に使命を果たしたいと、語ったその目は今も変わらずそこにある。
ただ、毒に染まったこの身とは違い、鮮やかな炎に彩られている。ずっとあとをついてきた影は、すっかり先に伸びていた。
「おまえは本当に……どこまで頭が固いんだ」
こんなこと、背負わなくとも良かったのに。
突き放せないまま来てしまった、これは自分の咎なのだろう。だからこそ力尽きるまで、兄として答えてやらなければならない。
閉じられた絶景の中、二人で疲れ果てるまで。なにも知らず、なにも考えず、ただ遊んだあの時のように。
「さあおいで、マヨリ。……オレが遊んであげよう」
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