Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ちきとら

    @5ixlavv

    フォロワさんのお目汚し防止用

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    ちきとら

    ☆quiet follow

    夢主は🌸。【雑渡さんの恋煩い】のふたり。相変わらずクソ女注意です。

    雑渡さんからの贈り物贈り物をしたことがある。
    高価な口紅だったと思う。
    彼女はそれを付けて他の男に口付けをした。
    背が低く平凡な顔立ちの、育ちの良さそうな、地味な男だった。
    あの時感じた憎悪、失望、嫌悪、そして妬みは、忘れることなど出来るわけもなく。

    その日から、彼女に物を贈ることはない。




    「浮気を許しているつもりは無いんだけどね。そう見える?」

    🌸の着物を開けさせながら、雑渡は言う。
    着物でかろうじて隠れるあたりの、🌸の胸元には、どこの誰かわからない男の残した口付けの跡が赤く残っていた。
    それを隠そうともしない🌸に、苛立ちが募る。

    「まさか。あなたが私を許さないと知っているから、こうやって他の殿方にも足を開くのよ。あなた、物凄く嫌がるでしょう?」

    「当たり前だ」

    🌸はくつくつと笑うと、はしたなく足を広げ、雑渡の膝に座り込んだ。
    すると自らの、紅く塗られたふっくらとした唇を、指でゆっくりと撫でる。
    そして、艶やかな笑みを浮かべながら、雑渡の唇をゆっくりと指でなぞった。
    なぞられた唇は🌸の口紅で色づき、それを🌸はうっとりと眺める。
    下品で挑発的なその仕草に、雑渡は眉を顰め嫌悪を示す。

    こんなことを🌸に教えたことはない。

    🌸はそんな雑渡の顔を見て、満足そうに目を閉じた。そして雑渡とそっと額を合わせる。

    「沢山私のことを考えてくださいね。たまには私のことで頭をいっぱいにしてくれなくちゃ嫌よ。」

    愛らしくも憎らしいお願いに、雑渡もゆっくりと目を閉じる。
    額に巻いた包帯越しに感じる彼女の体温に思いを馳せる。

    「そうだね。わたしは大抵、お前でいっぱいだよ。」

    「嘘つきね。愛しているけど、大嫌いよ。」

    「お前ほどじゃ無いよ。」


    憎くて憎くて、恋しくて。
    だから言わない。
    誰かに抱かれるその時は、あなたのくれた、あの口紅をする。いつもそう。
    少しずつ、大切に。あなただけを想うために。

    あなたへの恋心も、こうしてすり減れば良いのに。






    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works