皇宗SS/きみの世界は輝いているか/イベスト後 ウィズダムに戻った皇紀は颯といっしょに宗雲への報告を終えるなり、ソファーに沈むように腰掛けた。今日程度の戦いは今までにもあったというのに、なぜだかとてつもなく消耗している。頭の中に住み着いた宗雲が「気持ちが疲れているんだ」と言った。あながち間違ってもいないような気がした。
細く息を吐きながら、早速元気に働き始める颯の背中を眺めていると、バックヤードで上へ連絡を繋げていたらしい現実の宗雲が皇紀のほうに歩み寄ってくる。
「随分お疲れのようだ」
今日は休むか、と聞いてきたので、首を横に振る。意地のようなものだった。宗雲はそれ以上は気遣いを押し付けず、皇紀の隣に腰を下ろす。
「願いの叶う桃源郷、か」
「……あ?」
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