ほどかれた鎖 呂紫 微甘小鳥の囀りで呂布は目を覚ました。
昨晩、裸のままで眠ってしまったからか少し肌寒かった。
横に目をやると紫鸞は未だに夢の中にいた。眠る表情はとても穏やかで柔らかかった。
紫鸞の体には無数の赤い花が咲いており、そんな姿を見て呂布は、笑みがこぼれる。
またこうして自身の手中に収めることが出来て満足していた。
頭をひと撫ですると紫鸞がそれに応えるかのようにモゾモゾと動く。
その姿が愛しく、呂布は紫鸞の額に口づけを落とす。唇の感触に気づいたのか、紫鸞が薄っすらと目を開ける。
「起きたか。」
昨日とは違う優しい声に紫鸞も表情が緩くなる。今度は頬に一つ口づけをする。
「・・・?夢・・・じゃない・・・?」
寝ぼけている紫鸞に呂布は軽くあざ笑う。「夢じゃない。」と伝えた。
1204