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    グルーヴィ

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    グルーヴィ

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    もつにさんのレプとショタ陸を小説化したもの

    無題(後に決めます)思わず二度見した。
    いや二度見せざるを得ない状況になっていたの方が正しいと言える。










    闇の世界で闇に溶けそうになっていた自らの心をオリジナルの自分に託したレプリカは、オリジナルの中で意思や行動が共有されるようになっていた。キーブレードマスターである失踪中のアクアを捜索に再度闇の世界を訪れている。戦闘は避けられる筈もなく苦戦を強いられ、レプリカの力で強化された闇の力と新しいキーブレードのおかげで何とか凌いでいたが、シャドウを倒しきったその瞬間、その中に紛れていた見たこともないハートレスの攻撃を喰らい今の状況になっている。

    オリジナルの心の中にいたレプリカは突如として煙に包まれたオリジナルの身体を不安に思い思念体となり外へと飛び出す。無限の広さを感じていたオリジナルの心の中だが攻撃を喰らったあと急に狭さを感じたからだ。

    「おい無事か?おい!」

    返事は無い。ハートレスはいつの間にか逃亡し周りには敵がいない。焦ってもしょうがないと煙が消えてなくなるまで待つことにした。

    数分経った頃だろうか。オリジナルを覆っていた煙は薄れ徐々にその姿を現していく。

    「…………」

    思わず二度見した。
    いや二度見せざるを得ない状況になっていたの方が正しいと言える。ざっと見年齢は1歳だろうか。180cm近くあった身長は膝丈より縮んでおり、筋骨隆々で骨ばった関節も今やマシュマロのように丸みを帯びている。縮んだことにより今まで身に付けていた衣類は地面にベッタリ付いていて砂まみれ。少し動いただけで布はずり落ち全身の肌色が見えてしまうくらいには体に合っていない。


    「随分と可愛らしい事になっているな」

    実際のところ心配と言うより面白味の方が勝っている。かつてあの頃生意気だったオリジナルがハートレスの攻撃を喰らっただけでこのザマ。クールで冷静で賢いオリジナルが産まれたばかりに程近くなっている姿は何処からどう見ても滑稽だった。短い足を伸ばし座り込み、ポカーンと虚空を見つめたまま動こうとしない。何を見ているのかとそのまま視線を追ってみるがあるのは怪しく紫に発光する岩だけで他にめぼしい物は見当たらなかった。嫌な予感がする。

    「おい…まさか中身まで…?」

    視線をオリジナルに戻し、短い腕でペチペチと何も考えずに組んだ腕を叩いている様子を見れば嫌でもわかる。顔の半数を占めた大きい目で見つめられれば「マジか」と深いため息が出る。極めつけに返事は質問の意味など理解していないであろう「う?」だ。言葉1つ話せないなんて、とレプリカは頭を抱えた。
    このままこの世界に置いておくことは出来ない、いつまた敵が襲ってくるかも分からない。そうなってしまえば赤子同然になってしまったオリジナルを庇い戦うことなんて不可能だ。ならどうするか、やるべき事はただ1つ。コイツを光の世界まで送り届ける。

    「力を貸すってこういう事じゃないんだがな…」

    ある目的を果たす為に利用していただけなのにこんな珍事件に出会すとは人生…いや、心も捨てたものではない。
    そもそもオリジナルは歩けるのだろうか。様子を見ている限り精神思考共に見た目通りのところまで下がっている。もし歩けないのなら抱き抱えて運んで行く必要があるだろう。
    先程まで不思議そうに闇の世界の砂で遊んでいたオリジナルは砂遊びに飽きたのか手のひらを地につき立ち上がろうとしているところだ。立てるのかと腕を組みながら見守っている姿はさながら我が子を見守る親の様。精神、年齢はオリジナルの方が上なんだがとレプリカは再度ため息をついた。
    立ち上がったオリジナルは慣れない足場に少々ふらついていたがしっかりとバランスを整えると1歩足を踏み出そうとする。

    が、その前に気が付けば良かった。小さくなったせいで着られなくなった己の衣服がオリジナルの歩行を邪魔する。見事に足を引っ掛けたオリジナルはべたーん!と音が鳴るくらい勢いよく砂浜へと盛大にすっ転んだ。

    「おいおいおい!!」

    流石に焦る。子供のお守りとはこんな感じなのかと慌ててオリジナルを抱き起こす。砂浜を見れば転んだ跡がくっきりと残り、顔面には砂がびっしりと付いていた。急いで砂を払い、本人には申し訳ないがワンピースのようになっているタンクトップ以外取っ払う事にした。幸い泣かずにされるがままになってくれているのがありがたい。思念体でもオリジナルに触れられるのはオリジナルと心が繋がっているからだろう。また同じ事が起こっては溜まったものじゃないと結局抱き抱え光の世界まで運ぶことになった。
    その前にと服を取っ払った際に感じた重みの正体を探る。上着のポケットに手を突っ込めばオリジナルが良くソラと連絡を取りあっている端末が顔を出す。使い方は知らないが適当に操作してみれば『SORA』と書かれた項目が現れる。項目を開けばソラとの文字でのやり取りが表示され、中にはソラ自身が写っている写真なども見られた。オリジナルの中からでも知っていたが仲睦まじいのはいい事だと改めて安心する。


    『すまないが手を貸してくれないか。闇の世界の入口まで来てくれ。』


    不器用にオリジナルを装いつつ慣れない手つきで文字を打ち送信すれば、秒で既読がつき『大丈夫か!?分かったすぐ行く!!』と声が再生されるほど分かりやすい文章が届く。
    電源を落としポケットへと仕舞い込むと幼児化したオリジナルと脱がせた衣服を抱え進み出す。
    髪の毛を弄られ、頬も引っ張られはしたがきっと元に戻ったところで覚えてはいないだろう。元に戻ったらこちらも散々弄り倒してやろう。記憶があってもなくても面白いものが見られるとレプリカの中で悪巧みが進んでいた。



    どうやら幼児化の力は闇の世界限定だったようで脱出した直後にオリジナルの身体は意識がない状態で元に戻る。着ていた衣服はタンクトップのみだったせいであられも無い姿になっていたのは言うまでもない。ソラが来ている様子はまだなく今のうちに着せてしまおうとレプリカは服を着せた。
    意識が戻る前に心に帰り、意識が戻った頃にソラが到着するや否や「どうしてここに?」「どうしてってリクが連絡してきたんじゃないか!」と噛み合ってない会話を繰り広げる。

    後にレプリカが小さくなったオリジナルに見兼ねてソラに連絡したのだとバレるついでにリクの新たな黒歴史をレプリカから聞かされたのだった。
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