スバルとムラサメと髪の毛の話前日の疲れが残ることもあって、やはり朝は苦手だ。ぐい、と伸びをしてスバルはひとつ欠伸をする。
伴侶であるムラサメはすっかり支度を整えていて、自分のための弁当まで作ってくれている。
彼がまさか自分のために料理をしてくれるなど思ってもいなかったので、なんだかその光景が愛おしい。
「……ああスバル殿、起きたのか」
まだ眠くてぼんやりとしていた目を擦っていたら気付かれてしまったようだ。
「はい、おはようございます……」
「おはよう」
ムラサメが乱れた寝間着を軽く整えてくれる。そして、いつだか頭を撫でた時にたいそう気に入ったのかスバルの乱れた髪を撫で付けるように大きな手のひらで頭を撫でてくる。
「スバル殿、身体は辛くないか?」
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