若頭スバル×一般通過小説家クラマ今どきロン毛の男なんて珍しいな、と横を通り過ぎて行った青年を見て思った。
そしてボサボサに伸ばしたままの己の髪を思い出し、美容院に行くしかないのか……あんな陽キャだらけの空間に……とクラマは落ち込んだ。髪はうざったいと思っていたから、行こうか悩むきっかけをくれたあの青年には感謝だ。
信号機の軽快な音がし始める。クラマは慌てて横断歩道を渡った。
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「ンだよ、てめえ!」
「ケツの青いガキはさっさと家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってろ!」
下品な言葉を喚く人相の悪い男達と相対したスバルは、心底呆れたようにため息をつく。
ああ、そういえばイレズミの漢字は『刺青』だったな、じゃあ青いのは尻じゃなくて背中か。そんなことを思いついて頬が緩む。
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