甘やかすことは、甘えること。天気予報は曇りだったはずなのに、陽射しが少しだけカーテンの隙間から顔を覗かせていた。部屋の中にあたたかさが差し込んで、過ごしやすい気温。今日は特に予定はない。
ソファに座ったまま、鳳凰くんが読みかけの小説からちらりと視線をよこす。
「今日は出かけないのか?」
私が部屋着のままだからだろう。
そういう彼も部屋着のままだ。髪の毛は少し後ろに跳ねていて、なんだか可愛い感じになっている。おそらく私が出かけると言えばすぐに支度を始めてくれるのだろう。でも、
「出かけてもいいけど、今日はごろごろする日にしようかな〜」
そう言って、私は彼の隣に、といっても少し間を開けて座る。そのままごろんと彼の太ももにためらいなく頭を乗せてみる。
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