seisワンドロ「添い寝」「じゃ、そういうことだから」
そんな簡素な言葉と共に、チーフマネージャーは潔たち二人に清々しいほどまでの笑顔を向け、ルームキーカードを渡してきた。
潔は呆然として立ち尽くすしかない。そんな潔の意識を呼び覚ますように「おい」と後ろから声をかけられる。振り向けば、動揺した様子もないもう一人は平然とした顔で「何突っ立てんだ。行くぞ」とだけ言って、スタスタと歩いていく。そんな後ろ姿を眺めながら潔は頭を抱えたくなる。
(どうしてこうなった……!)
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今日、潔の所属するサッカークラブは、試合のため遠征していた。その遠征先の宿泊施設に到着した途端、急遽チーフマネージャーからとんでもないことを言われた。
「いや〜、こちらの手違いでダブルベッドの部屋一部屋予約しちゃってね。まぁ君ら同じ日本人だし、仲良いし、一緒でいいよね?」
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