不憫同情カタルシス「来てくれてありがとう三田くん」
シナプリのレストランで珈琲をとりあえず頼んだ三田は目の前で同じように珈琲を注文した仲間、カズキを見る。相談があると呼び出されたが、真剣そうな面持ちを崩さないカズキの姿に嫌な予感と疑惑が浮かんで消える。ビシビシと視線を感じながらも話を促す。
「なんだよ改まって話なんて……」
三田自身の中で何かのアラートが鳴り響いてそれ以上は聞くなと言うがここまで来た以上、仲間の相談に乗らないなんて選択肢があるわけもない。
「Qがイケメン過ぎてどうしたらいいと思う?」
「よし分かった俺は帰るぞ!」
聞いたのが間違いだった。やはり嫌な予感を告げていた己は正しかったのだ。さりげなく帰ろうとする三田の服を掴んで離さないカズキはやはりゴリラなのではと逃げられないことに薄々感じていた違和感を明確なものにした。チクチクと視線が三田に刺さる。
2454