年齢操作・誕生「ピッコロさん! 明日が何の日かわかりますか!?」
「……お前の誕生日だろ」
「ピッコロさん……! 覚えていてくれたんですね!」
一見他人の誕生日なんてまるで興味がなさそうな恋人兼師匠が自分の誕生日を認識していた事がこの上なく嬉しくて無意識にその人を抱きしめていた。
「暑苦しいぞ、悟飯」
「だって……ぼく、うれしくて……!」
離れろと呟き肩を押し除け僕から目を逸らしたかと思うと、今度は頬を染めてこんな事を言う。
「……なにか、欲しいものはあるか?」
「えっ、欲しいものですか?」
「…………して欲しい事とか、望む事……何かないのか……?」
照れくさそうに顔を背けながら僕の様子をチラチラと伺うピッコロさんの仕草はまるで子供のようで自然と笑みが溢れた。
「……ふふっ……僕はピッコロさんが側に居てくれればそれだけで十分ですよ」
「……しかしだな……何かないのか?」
納得のいかない様子で考え込むピッコロさんをみて僕も少しだけ考え込む。
「……うーん……望む事なら……一つありますけど……」
「なんだ?」
「……いやでも、流石に……」
「……良いから言ってみろ」
「…………強いて言うならですよ?」
「ああ」
「……えっと、その〜……」
僕を見つめるピッコロさんの真剣な眼差しは酷く僕の心を揺さぶった。
「――小さい頃のピッコロさんに……会いたいな……なんて………………」
「…………」
「すっすいません! 僕何言ってんだろ、忘れてください!」
「わかった」
「へ?」
想像と違った反応に拍子抜けしてしまう。
わかった、と一言返すとそのまま師匠はいつものように眠りについてしまった。
「――わかったって……どう言う意味だろう……」
――翌朝目を覚ますと、いつも大きなベッドに隣で猫のように丸まって寝ている師匠の姿はなかった。
「ピッコロさん……?」
その名を呼ぶと、廊下から小さな足音が響いた。
「ピッコロさん、いるの?」
――数秒後、僕の瞳には信じ難い光景が映し出された。
「…………ごはん……起きたか?」
隣の部屋へと続くドアからひょこっと顔を出すその人はどう見てもピッコロさんだった。
――しかし、体のサイズはいつもの3分の1程度でまるで小学1年生のような見た目へと変わり果てていた。
「……え……え? ……え?!」
「……何を驚いている? お前が望んだ事だろう」
「……は、え? ピッコロ、さん……なの……?」
「……あたりまえだ」
いつもよりも高く鼻にかかる声。
小さい口と丸々とした大きな瞳。
普段のピッコロさんからは考えられないほど華奢で小さな体。
――その全ての要素が僕を狂わせるのにそう時間は掛からなかった。
「……か、かか……か……可愛い!!!!」
ベッドから起き上がり自分でも驚くほどの速さでピッコロさんを力強く抱きしめていた。
「ぅぐっ! い、痛……痛いぞ悟飯、離せ!」
「……はっ! す、すみません……可愛すぎてつい自我を失ってました! ……でも何でこんな姿に?」
「神龍に頼んだんだ、お前が望んでいたから」
小さくなった姿が恥ずかしいのか、道着をギュッと握りしめ顔を背けてしまう。この見た目でそんな事をされると僕の頭はさらにクラクラしてしまう。
「ピッコロさん…………ちゅーして良いですか?」
「は!?」
「だってあまりにも可愛いから!」
思考が停止した僕は必死にピッコロさんにキスを迫るが、ピッコロさん本人は以外にもそれを受け入れてくれた。
「……良いに決まっているだろ…………んむっ」
「んっ……んん」
「……んっ……ごはっ……んぅ……はぁ……はぅ……」
いつもよりも小さくなったお口で必死に息継ぎをし、僕の舌を小さな舌で絡める姿が健気で僕の下半身はみるみる熱を帯びた。
「……ピッコロさん、えっちすぎ……こんなの、我慢できないですよ……」
「……何故我慢する?」
「……へ?」
「神龍に頼んで今日一日中はこの姿でいれるんだ」
「わぁ……それは嬉しいです……」
「……なのに、何を我慢するんだ?」
「だって、こんな小さなあなたに手を出すなんて、そんなの、まるで犯罪ですし……」
「お前のためにこの姿になったのだから、お前がしたい事……その……え……えっ、えっちな……こと、とか…………して……構わないんだぞ…………」
――……なんと、小さなピッコロさんの口から性行為の許可が降りてしまった。 なんだこれは……夢なのか……?
「……せっかくお前が望んでいた身体になったんだぞ? それに子供といっても中身は大人なんだ、何も気にする事は無い」
「……でも…………」
「子供の姿の俺とえっちするの……嫌か?」
上目遣いで悲しそうな顔でそんな事を言う。
こんなあざとさを計算せずとも発揮してしまうピッコロさんにはやはり敵わない。改めてそう思った。
「いいえ、嫌じゃ無いです……寧ろ嬉しすぎてどうにかなりそう」
耳元で囁くと小さな身体は小さく震え、いやらしい声が漏れる。
「んっ……!」
「なるべく優しくしますけど、身体、辛かったらすぐに言ってくださいね?」
「……いいから、早く……しろ……ごはん……」
――小さくなった師匠の熱を帯びた視線は僕の理性を意図も容易く溶かしてしまった。
『なるべく優しくする』なんて口走ってしまったけど……もうそれも無理そうだ。
それもこれも全部、ピッコロさんが悪いよね――?
end