きっかけなんてない R2(途中) 朝起きて最初に目に止まったのは眠っているというのに癖になって取れることのない、深いシワを作っている眉間だった。
ジジイのように早起きなこのバカが、今の時間は分からないが、俺が目を覚ましても寝ている姿を見れるのは久しかった。
休みなぞ関係なく、バカは規則的な時間に起きては体を動かしたりする。カーテンから漏れ出る日射しの具合からして今日は珍しい寝坊の現場を抑えたことが窺えた。休日だから問題ない。学生の頃から徹夜ばかりして、社会人になっても遅くに帰ってくることは少なくない、そんな奴の足りない睡眠に「いつか体を壊すに違いない」と俺は常々考えている。
目の下の隈だってきっと取れることはない。堪らない気持ちで、撫でたくなってそこへ手が伸びる。
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