出会い 繰り返す自問自答の中で、もうとっくに答えは出ていた。いつまでも進めない、狂ったように生きていく毎日で何度も思うんだ。死ぬ勇気も、汚れた自分を抱えて生きる覚悟もない。そんな自分が、あの時、死ぬべきだったんだって。ただ、もう過去には戻れない。だから繰り返す。終わりの見えない、答えのない、無意味な毎日を。
大切なものが壊れる時はいつも一瞬だ。どれだけの想いを持っていても、意味なんてないんだ。だから、もう、◯◯◯なんて──。
日光が眩しい。いつの間に日が昇ったのだろうか。時計の短針は十一を指していた。隣に置かれた開けっ放しのピアノと寂しく散らばった楽譜を見て、少年はため息をつく。ああ、またやってしまった、と。
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