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    なんなの

    @honmani_nannano

    日本語 トテモ むずかしネ

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    なんなの

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    一週間毎日ラッキースケベを狙う話

    【再掲】水戸くん日記月曜日 曇り

    『バイト中だけどすげえ暇だから相手してよ』
    『バイトって例の雀荘か。お前よくそのナリで年齢誤魔化せてるよな。絶対バレてるだろ』
    『自分の手元を見るのに必死で誰も店員なんて見てないよ。それよりこれ、俺が作ったまかないの炒飯』
    『普通に美味そう』
    『今度俺の家においでよ。作ってあげる』
    『じゃあ徳男達も誘おうぜ。アイツの作る餃子はマジで美味い。絶対にお前も気に入る』
    『ごめん俺実は一人暮らししてるんだけどすげえボロくて狭いから床が抜けるかもだし壁も薄くてしょっちゅう隣の爺さんが怒鳴り込んで来るから三井さんだけでお願いできる餃子なら俺も得意だしそれ以外でも好きにリクエストしてよ何でも作ってあげる』
    『わかった。あとこれから風呂行くわ』
    『終わったらすぐに返信ちょうだい。一生のお願い』

    バイト中、暇を持て余して三井さんへメッセージを送るとすぐに返信があった。
    そのまま少しだけラリーが続くと風呂へ行くと言うので俺は風呂終わりの返信を頼むと、大袈裟にも一生のお願い、と加えた。
    するとすぐに既読となったものの、返信は無し。
    少なくとも俺とのやり取りでの既読スルーは了承の意味となっている。
    だから俺は事務所で炒飯を食べながらいつ返信がきても良いようジッとスマホを睨み続けた。
    その二十分後。三井さんからスタンプが送信されたのですかさず画面録画をスタートし、音量を最大にしてビデオ通話を発信した。
    これは一か八かの大博打だ。

    「いや何でビデオ通話なんだよ。そんなに慌てて聞きたいことでもあるのか」
    「なんとなくあまりに暇で構って欲しいなって」
    「お前って大人びてるのかガキなのかよく分かんねえ」

    結果は俺の大勝利。画面いっぱいに映る風呂上がりの三井さんは俺の狙いも知らず不思議そうに首を傾げた。
    堂々と映る上半身は何も着ず、濡れた髪から滴り落ちた水滴が滑らかな肌の上を通るだけでもゴクリと喉が鳴った。
    思わずスクショしそうになったが今は我慢だ。
    どうせ録画しているのだし、今はリアルタイムで目にしている絶景を楽しむのが紳士としての礼儀だろう。
    背景から察するにまだ脱衣所に居るらしく、安定した場所へスマホを置くと画面の左下に小さく映る自分の姿を確認しながらガシガシと髪の毛をタオルで乾かし始めた。
    あまりに無防備な姿に三井家の鏡になりたい、と非現実的なことを考えてしまう。
    出来る限りこの絶景を楽しむべくダラダラと雑談を続けてはみるものの、いつまでも脱衣所に居させては可哀想だ。
    なので三井さんが白いTシャツを着たところで話を切り上げ、また明日と、通話を切った。
    それから暫く、三井さんが自宅ではノーブラ派だという事実に感動していた。
    好きな子の裸を合法的に見る裏技、という一見馬鹿げた情報がこんなにも役立つなんて俺は本当に運が良い。




    火曜日 大雨

    「うわずぶ濡れじゃん。傘は」
    「俺のも徳男がもしもに備えて準備してくれた分までパクられた。最悪。ちょっと詰めろよ」
    「はいはい。そんな恰好じゃ風邪ひくし、こんな天気だからこのままうちに泊まりに来なよ」
    「でもお前の家って隣が怒鳴り込んで来るんだろ」
    「大丈夫。引っ越したから」
    「………昨日の今日でか」

    放課後、部活終わりの三井さんと校門前で遭遇した。
    下駄箱や部室に置いていた傘を盗まれたらしく、校門までの僅かな距離でも全身ずぶ濡れになっていてた。
    俺を見つけるなり遠慮なく傘の下に入ると距離を詰め、部活終わりなのに信じられないほど良い香りが舞ったので奇跡の存在かと思った。
    シャツが肌に張り付いたお陰で体のラインがはっきりと分かり、透けたシャツから見える鎖骨に触れたくてたまらなくなった。
    ずぶ濡れのまま電車に乗って帰宅させるのは可哀想だから俺の家へ泊りに来るよう誘えば少し迷ったものの、そのタイミングで雨の勢いが増したのを見て諦めたように笑って世話になる、と言ってくれた。
    途中にコンビニへ寄り、替えの下着など必要な物だけ買うつもりだったのに、すっかり遠足気分となった三井さんにつられて俺まで食べきれない量の菓子をカゴいっぱいに詰めてしまった。
    会計の直前で万が一を考え、三井さんにバレないよう紳士の嗜みを一箱追加した。

    「ほら、寝るなら布団で」
    「んー…」
    「…自分から夜更かしがしたいって言ったくせに」

    期待に胸を膨らませたが、部活の疲労もあって三井さんは食事を終えると一時間もしない内に欠伸を繰り返した。
    十時を過ぎた頃にはテーブルに額を預けて完全に寝始めたので仕方が無く布団まで運び、ゆっくりと腕から降ろせばもう熟睡していた。
    人の気も知らないで、と憎たらしく思いつつも、あまりにも綺麗な寝顔を見ているとまあ良いか、と考えが変わった。
    日頃から予備で練習着を多めに鞄へ入れていたようで、体育館で目にする姿のまま俺の家に一泊してくれるだけでも十分目の保養にはなった。
    帰宅してすぐ、先にシャワーへ行かせている間に新品のタオルを持ってさり気なく脱衣所での遭遇を狙おうかと散々悩んだ末に我慢した俺は本当に紳士だ。
    そのご褒美か、昨晩画面越しに見た下着だけの三井さん自らドライヤーを借りて良いか、とドアを開けて姿を現したのだからこれ以上の贅沢は望めない。
    けれど同じ布団で寝るこの一大イベントを存分に楽しむため、普段よりもエアコンの設定温度を下げることにした。
    すると狙い通り三井さんは肌寒さに俺の方へ腕を伸ばし、温かいものがあると分かると俺を抱き枕のようにして朝までぐっすりだった。
    絶対に寝ているはずなのに、上手に足まで絡められたお陰で俺は一睡も出来なかった。




    水曜日 晴れ

    「よお水戸。昨日はありがとな」
    「いーえ。それよりこれ、差し入れのアイスだよ」
    「…水風船みたいだな」
    「知らないここ嚙み切って吸うやつ」
    「ひはへー」

    放課後に駄菓子屋へ寄り、一つ百円もしない玉子の形をしたアイスを二つ購入して体育館へ向かった。
    ちょうど休憩中で外の風を浴びようと扉の前でへばっている三井さんに渡せば物珍しそうに首を傾げ、早速口に咥える姿が可愛かった。
    隣に腰かけて俺も自分のを食べていると慣れない形状に苦戦した三井さんがさっさと中身を溶かそうと両手で挟んで温めたり、必死に揉んで柔らかくしたりと一生懸命になっていて、アイス一つ食べるだけで可愛いというその才能に感動した。
    カメラを向けようかと迷ったが、不自然なタイミングで撮影を始めると警戒されてしまうので我慢した。

    「あっなんだよこれ」
    「ん、ふふ…アンタ本当に知らなんだ」
    「お前な…ガキみたいな悪戯するなよ」
    「いやいや、純粋に差し入れだってば」

    五分後。そろそろだな、と思ったと同時に三井さんのアイスが爆ぜた。
    それも俺の期待以上の飛び散り具合にやはりこの人はそういう天才なのだと確信した。間抜けだなあと言いながら何枚も連写している間、三井さんはクソガキめ、と吐き捨ててカメラから顔を反らさずレンズ越しに俺を睨んでいた。
    Tシャツの襟まで汚れた、と叱られはしたが三井さんとしては珍しいアイスだったからか、大人しく俺に顔をタオルで拭かれながら何処で売っているのかと聞いてきた。
    恐らく誰かに悪戯を仕掛ける気でいるのだろう。可愛い人め。

    「ちなみにおっぱいアイスとも呼ぶんだって」
    「…聞いてねえし」

    仕返しでゴミを投げてくる子供っぽさにキュンとした。




    木曜日 晴れ

    「…何したらそうなるのさ」
    「うるせー。ちょっと遊び過ぎただけだ」
    「水遊びでもしてたとか犬じゃん」
    「お前最近生意気だぞ」

    昼休みに食堂へ向かう途中、体育終わりの三井さんと遭遇した。
    しかも着衣水泳でもしたのかと疑うほど全身ずぶ濡れで、拗ねたように下唇を突き出すのが恐ろしく可愛かった。
    呆れたフリをしながら事情を尋ねるとこの暑い中真面目にサッカーなどする気になれず、悪友たちと共に花壇用のホースで遊んでいるとついムキになってしまった、とのこと。
    真面目に参加するよう教師に叱られ、拳骨を食らったと嘆きながら頭を摩っていた。
    それよりも俺は真っ白な体操服がピタリと肌に張り付いているものだから、胸元に一点集中…いや、二点集中した。
    生で見るよりも濡れた布越しに見えた方がエロいとは流石は天下の三井寿。恐れ入る。

    「あーあ…見ろよ、下着まで濡れてやがる」
    「…昼飯代までくれるなら俺がコンビニで新しい下着を買って来てあげるけど」
    「いや、またお前の家へいつ泊まりに行っても良いよう鞄に常備してるから大丈夫」
    「ヘー…ソウナンダ」

    そこにばかり目を向けていると三井さんが突然短パンのゴムを伸ばし、軽く下ろして濡れた下着を見せつけてきた。
    濡れたと言っても布が黒色だからよく分からないし、何よりもフィット感抜群であろうボクサーパンツから目が離せなくなってしまった。
    しかもまた俺の家へ泊りに来る気があるらしく、常備していると本人から告げられてまともに返事が出来なくなってしまった。
    何それ。俺のこと大好きじゃん。そのままお嫁においでよ。
    なんて馬鹿げた考えをしている内に三井さんはじゃあな、と白い歯を見せて去ってしまった。
    悔しいけど、そういう自由気ままなところも好きだ。




    金曜日 晴れ

    「水戸よけろ」
    「っだあ」

    いつも通り三井さんを観察に…ではなく、大親友である花道の様子を見に体育館へ行くとちょうどルーズボールを追いかけていた三井さんが飛び込んできた。
    流石はスポーツマンと言うべきか、咄嗟の判断でボールよりも正面衝突の避けられない俺の頭を両腕で守るように抱き締めたまま二人で派手に床へ転がった。
    体が何度も回転し、壁にぶち当たる寸前で止まったのは幸運だった。
    俺にとって一番の幸運は事故を防ぐ為とは言え全力で抱き締められたことだ。
    ここぞとばかりに俺も三井さんの背中に両腕を回してきつく抱き締めてみたが誰にもバレることはなかった。
    バレるどころか頭の打ちどころは悪くなかったか、どこか痛まないか、と心配され、間近で三井さんの綺麗な顔を拝めたので実はよけるのは容易だった、とは一生の秘密だ。

    「ごめんね三井さん。俺喧嘩以外だと反射神経からっきしで…ちょっとまだ眩暈がするから少しだけ膝貸してくれるあ、負担をかけないように勿論右膝ね」
    「それよりも保健室の方が良くないか」
    「いやこの感じは絶対右膝での膝枕だね。長年の喧嘩の経験からして絶対にそう。間違いない」
    「…まあ、お前がそうまで言うなら」

    その上眩暈がすると主張し、右膝での膝枕を所望すればチョロ…慈悲深い三井さんは気恥ずかしそうにしながらも休憩の僅か十分だけ、胡坐をかいた右膝を枕にすることを了承してくれた。
    結婚したら毎晩こうして甘えよう。
    自分が起こした衝突だという負い目があるのか、マネージャーから借りたうちわで俺を扇ぎながら大丈夫かと顔を覗き込む優しさに心底惚れ直した。
    花道を含め、その場に居た三井さん以外の人間が俺の目論見に気付いて口をへの字にしていたが新婚気分を味わう俺にそんなことは気にもならなかった。




    土曜日 晴れ

    「なに、アンタが喧嘩の原因」
    「原因って言うと俺が悪いみてえじゃねえか」
    「つまり」
    「まあ、俺が後輩に慕われてるって証拠だな」
    「…ところでそのTシャツは」
    「ああ、桜木に借りた」

    甲斐甲斐しく休日も三井さんを餌付ける為に差し入れを持って行けばコートのど真ん中で花道と流川が大乱闘していた。
    その二人から逃げるよう忍び足で出入り口へ向かう三井さんが言うには練習後、花道は三井さんにシュートを習いたい、流川はいつもと同じくワンオンの相手をして欲しい、とどちらが三井さんを勝ち取るかで揉めたようだ。
    当の本人はと言えば何故か花道のTシャツを着ていて、サイズはぶかぶか。俺のサイズでは叶えられない彼シャツ姿を他人が完成させるのは少し納得がいかないが花道のとなれば話は別だ。
    どうやら練習着のまま登校している途中にぶつかった相手のコーヒーでTシャツが汚れ、更に替えのTシャツが入ったカバンの上へ後輩が転倒した際にスポドリをぶちまけたらしい。
    ある意味凄い運の持ち主だ。

    「こらミッチー逃げるなんて卑怯だぞ」
    「ワンオン」
    「おい何してくれやがる放せ馬鹿」

    賞品が逃げ出そうとしていることに気付いた二人がこちらへ駆け寄り、花道が三井さんを背後から羽交い絞めにしようと両腕を伸ばした。
    そこまでは良かったものの、脇の下へ腕を入れるつもりがぶかぶかのTシャツの裾の隙間へ腕が入った。
    そのまま両腕を勢いよく上げたので裾が襟まで捲し上げられ、俺の正面には上半身の裸体を強制的に晒される三井さんという夢のような光景が広がった。
    確かめるまでもなく、今日の勝者は俺だろう。
    キレた三井さんに殴られた花道には感謝としてラーメンを奢った。
    いつもより美味く思えた。




    日曜日 快晴

    「おい水戸、もっと頑張れって。踏ん張れよ」
    「や、あのさ…その、これ…結構キツくない」
    「はだから上下逆の方が良いって言っただろ」
    「それはそうなんだけど…そうじゃなく…っでえ」

    バスケ部も休みで金も無い俺達はいつだったか誰かがふざけて購入したバトミントンを持って公園へ向かった。
    すると運命の力か、ランニング中の三井さんと出会った。
    この年でバトミントンに夢中な俺達をガキみたいだと笑っていたが誘えば案外快く応じ、俺とのラリーも楽しそうに相手してくれた。
    ところが木の枝に羽が引っかかってしまい、俺と三井さんでは届かない高さに頭を悩ませた。
    花道のジャンプ力なら一発で解決するだろうに、生憎空気を読んで他の連中とコンビニへ買い出し中だ。
    だから俺が三井さんを肩車して解決するつもりだったのに、綺麗な太ももが顔のすぐ近くにあるだけでまともに立ってはいられなくなった。

    「大丈夫か吐き気がしたらすぐに言えよな」
    「頭は打ってないから別に問題は無いけど…まあこの感じだともう少しこのままの方が良いかな、絶対に」

    案の定派手に倒れてしまい、俺は軽い擦り傷を負った。
    三井さんだけでも守ろうと腕を伸ばしたお陰で無傷でいられたが転倒した直後、俺の視界一面に上向きの綺麗な尻の形が浮かび上がる短パンとこれまた綺麗な太ももがあったのでプッとはじけるように鼻血が出た。
    そんな俺に肩を貸してベンチまで運んだ三井さんは少し休めと横になるよう促し、自分の膝上へ頭を預けるようにまで言った。
    なんという僥倖か。

    「ねえ三井さん。俺さ、絶対にアンタを幸せにしてみせるから信じてよ。結婚式だって盛大にやるよ」
    「おい桜木大変だ水戸が死ぬぞ」

    鼻血による貧血のせいか、朦朧とする意識で告白をすっ飛ばしてプロポーズまでしてみせたのに、三井さんは戻って来た花道達へ悲痛な声で叫んでいた。
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