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    「あいたいぜ今あんたに」から妄想したメモマカロニえんぴつのpooleがアキヘクっぽくていい。
    「会いたいぜ今あんたに」がもう…!
    自分だけが転生した現世で、何にも焦らされず、淡々と日々を送るアキレウス、似合わない平穏を噛み締めてる自分を振り返って、「あぁ、いまあんたに会いたいな」と思う…みたいな…!
    平穏に生きる俺を見て、あんたはなんていうんだろうな、と思いを馳せてりゃいい。
    オジサンが転生しない世界。

    20代くらいまでは「自分がいるんだ、ヘクトールだってきっといる」って信じて探したり色々したけど30代後半に差し掛かっていよいよやつはいないんだっての自覚してからぱたりと生き方がわからなくなるアキレウス。どうしたもんかと考えあぐねた挙げ句、生前選択しなかった「凡庸に生きる」をしてみることに。イキっていた性格を落ち着け、周りの面倒をよく見、頼られれば何よりも力を貸す。奇しくもそれは、生前のヘクトールのような生き方だった。
    上長となり、まとめ上げる立場になったアキレウス。
    ――あぁ、あんたはあのときこんな気持だったんだな。
    生まれ変わり、ヘクトールと出会うことのない人生で、ようやくわかった生き方は、小難しい、それでもどこかやりがいのあるものだった。
    ――あんたが今の俺を見たら、どう思うんだろうな。
    ――らしくない、って笑いそうだな。
    座った席から窓の外を仰ぎ見れば、青い空が広がっている。どこにもいないヘクトールが、そこで笑っているような気がした。

    手慰みに広げた新聞には、地方の記事が乗っている。
    どこぞの青年が薙刀の大会で優勝したらしい。
    そこに写っていたのは、タレ目で髪を後ろで一つに結んでいる青年。
    知りすぎたその姿にアキレウスはぶ、と吹き出す。
    ――おまえ、あっちにいるんじゃないのかよ。
    記載された地方は移動に3時間はかかるだろう。
    待っていた月日に比べれば早いものだ。
    「……週末、いってみっか」
    顔を突き合わせた相手は一体どんな顔をするのだろう。そう思えば、心の底から楽しさがあふれる。
    ――あいたいぜ、いま、あんたに。

    おわり。
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