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    Kmy359

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    Kmy359

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    現パロ妄想/操惇/曹操を変な目てみてくるモブ男が出ますが操惇です/暴力表現有/指折られたりします。

    波乱の出張編曹操と夏侯惇が暮らすマンションの一室
    曹操が珍しくスマホに大声で怒鳴っている
    今世では曹操は若くして隠居するため息子に会社を譲り会長職としてほぼ隠居の身を満喫している。
    そんな彼にとって休日の昼間に仕事の件でそこまでになる事態はかなり珍しい。
    夏侯惇は何事かと家事もそこそこに曹操の様子を見に行く。
    曹操はまだ怒鳴り続けいる。
    「私は絶対に行かんからな」
    最後にそういうとスマホをベッドに投げつけた。
    「何があった?」
    「子桓から海外出張の要請がきたんだが…」
    子桓というのは今世では曹操の養子。
    今世では夏侯惇というパートナーが居るため曹操は異性との結婚をしないという選択をした。そして仕事も早くに前線を退く事を決めていたので子桓の魂を継ぐものを探し出し養子にし、後継者として育て上げていた。
    「海外出張ぐらい行ってやったらどうだ?」
    促す夏侯惇に対し不機嫌な顔をしたまま曹操は結局首を縦にふらなかった。

    翌日、夏侯惇は案の定曹丕に呼び出された。
    曹丕も現状に頭を抱え困り果てている。苦労も多いせいか眉間の皺は若さの割にかなり深い。
    妻の甄姫が間に入り
    「なんとか取り成していただけません?」
    と申し訳なさそうに言ってくる。
    「俺もたまには出張ぐらい行ってやれと言ったんだが…」
    特にこれという解決策が出せなまま三人は深いため息をつく。
    「あるいは…俺が連れていくか…」
    しかたがない…と夏侯惇は顎に手をあてる
    「まぁ、よろしいんですの?」
    「俺の仕事を調整してくれるなら問題ない」
    夏侯惇のその言葉に曹丕はすぐに対応し
    その翌週には嫌がる曹操を夏侯惇が無理やり海外出張へと連れ出していた。


    とある辺境の国
    曹操を迎えたのはその国の皇子
    金持ちでいかにも頭の悪そうなその男に
    曹操は愛想笑いをして握手をしているが死ぬ程嫌そうなのは夏侯惇じゃなくても解るレベルだった。
    (こいつがここまで嫌がるとは珍しいな…)
    曹操はけして腹芸が苦手なタイプではない。
    なので取引相手にここまで露骨に拒否反応を出すのは余程の事である。
    その時、その相手は曹操の手を強く握り
    自国の言葉で
    『やっと逢えたな孟徳、相変わらず美しい…その白い肌も、艶やかな髪も、エキゾチックな黒い瞳までも…』
    とうっとりした口調で話し出す。
    通訳が喋り出す前に夏侯惇は悟った。
    (何を言ってるか解らんがあの顔は想像がつくな…)
    曹操は昔からそのように扱われるのを極端に嫌う。
    顔かたちも整い、俗に言う美形に分類程の美貌をもっているが本人は小柄である事(夏侯惇に比べやや小柄と言える程度なのでそこまで気にするほどのものでも無い)がコンプレックスの為、女性の様にエスコートされる事を極端に嫌う。
    曹操は相手の手を跳ね除けるとハンカチで手を拭いながら引きつった笑顔で
    「それはそれは…」と適当に返している。
    曹丕曰く連れてさえ行けばどんなに失礼な態度を取っても構わないらしい。
    (どうせ国際問題になったら袁紹がなんとかするだろうが…)
    曹操の秘書件ボディーガードとしての名目で付き添っている夏侯惇はすこし辺りを警戒した。
    (この国、治安はあまり良いとは言えんな…)

    アホ皇子との会食を終えホテルについた曹操と夏侯惇
    曹操はもう爆発寸前の子供のように夏侯惇に抱きつき胸に顔を埋め言葉にならない声をあげている。
    「おーおー、よしよしよく頑張ったなー」と夏侯惇も曹操の頭を撫でている。
    前世では絶対言わないような軽口も今世だからこそである。
    曹操は一秒でも早くあの阿呆に言われた口説き文句やボディータッチの数々を払拭しようと夏侯惇の上着に手をかけキスをしようと顔を近づけるがその口を夏侯惇の手に塞がれる。
    「監視されてるぞ?」
    曹操は怪訝な顔をする
    「盗聴もか?」
    「あるいは…な…」
    「変態め」
    そういうと曹操はもう一度夏侯惇の胸に顔をうずめ言葉にならない声で絶叫した。

    「しかしあのボディーガード…邪魔だな」
    曹操との会食を終え上機嫌な皇子だったが曹操の夏侯惇を見る目が恋人のそれである事をみせつけられているようで側近達に愚痴をこぼしていた。
    「消しますか?」
    「…」
    辺境とはいえ一国の皇子、こちらから招いた客人の連れを簡単に消す方法もそれが引き起こす多少の面倒も知らない訳では無い。
    「私の孟徳の気持ちがあの男から離れれば良い…それだけの事だ」
    「でしたら…」
    と側近は皇子の耳元でよからぬ事を囁き始めた。


    翌朝
    曹操は一睡も出来なかったのか、目の下にとんでもないクマができている。
    「孟徳…随分と酷い顔をしてるが大丈夫か?」
    大丈夫な訳は無いが曹操は力なく笑う。
    「早く終わらせて早く帰るぞ…」
    そうだなと言いながら夏侯惇は曹操の身支度を手伝った。

    「午後の会食はこちらでございます」
    と曹操達は侍女に個室に案内させられたが
    「お付の方はこちらでお待ちください」
    と夏侯惇は同室を拒否された。
    曹操はけして軟弱な男では無いが相手が相手なので二人きりにしたくはない。
    食い下がろうとした夏侯惇に皇子の側近が
    「この部屋はこちらの部屋から監視が出来るようになってございますのでご安心下さい。」
    と夏侯惇は別室に通される
    たしかにここからなら曹操達の様子は伺える
    あちらも他の誰かを連れている様子はない。
    少し不安に思いながらも夏侯惇はそれなら…と従った。

    ガラス越しにみる曹操の顔は相変わらずひきつっているが無事であるなら良いか…と会食のさまを見守っている。
    その時何処からか爆発音のような物がきこえた。
    (孟徳は)と慌てて曹操の方を見ると驚いてはいる様子は伺えるが無事である。
    安堵したその時、夏侯惇の後頭部に衝撃が走った。

    一方曹操達の部屋
    「爆発か」
    曹操は慌てて席を立ち窓から距離をとる
    「安心してください。貴方を歓迎する花火の音です。よくみえる場所を準備していますのでご案内しましょう」
    と不気味に微笑む皇子に曹操は鋭い視線を向けた。

    皇子に案内されたのはおそらく一種の傍聴室のような部屋。
    スパイ容疑のある者を尋問するような部屋とそれを傍聴するための部屋が隣接してつくられている。
    そしてそれらを区切る壁には傍聴側から隣がよく見えるように大きなマジックミラーがはめ込まれている。
    曹操は部屋の構造を素早く目視で確認するとまた鋭く皇子を睨みつけた。
    その様を皇子は愛おしそうに愛でるとパチン指を鳴らした。
    すると隣の部屋の明かりがつき部屋の中の様子が伺える。
    そこには両手を拘束され気を失って倒れている夏侯惇の姿があった。

    「貴様…夏侯惇に何をした?」
    曹操は辛うじて冷静さを保っている
    「少し眠ってもらっただけどよ。今は…」
    ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべていう皇子の右頬に曹操は間髪入れず強烈な拳を叩き込む。
    「私の惇の額からすこし血が滲んでいるが?」
    冷たく言い放つ曹操
    皇子は今まで味わった事のない痛みと自分の思い描いていた美しく繊細な孟徳像が崩れていく現実に思考が追いつかないでいる
    「で?これから、私に何を見せる気でいた?」
    曹操は地面に膝をつき混乱している皇子の手を優しくとる
    「…あ…孟と…」
    怯えているのか優しくされた喜びなのかはたまたその両方なのか混乱している皇子の表情の判別はつきにくい。
    がそんな彼に曹操は容赦はしない。
    無表情で皇子の右手の小指を折った。
    部屋に悲鳴が響き渡る。
    「何を…した?」
    曹操は淡々と続ける。
    皇子は痛みでまともな答える事が出来ない。
    だが曹操は気にせず右手の薬指も折る。
    「答えろ」
    痛みでもはや声すらもまともにでない皇子だったが答えを絞り出すように必死に声に出していく。
    「び…媚薬を…」
    「は?」
    曹操は皇子の右手中指と人差し指をあらぬ方向に曲げた。

    その時、いくらまっても次の指示が来ない事を不審に思った側近達が護衛を従え曹操達のいる部屋に入ってきた
    右手を抱え曹操の足元にうずくまる皇子のあまりに悲惨な顔に側近達は目を白黒させる。
    「ぶ、無礼者!その男を早く捉えよ!」
    と側近は護衛に命じるが護衛達が動くより早く曹操は足元の皇子を蹴り倒し首をかるく踏みつけると
    「この馬鹿の首をへし折られたくなかったら夏侯惇と私を今すぐ解放しろ」
    と静かに告げた。

    本国にて
    「袁紹様…曹操様から火急の要件があると…」
    自宅の寝室で優雅に睡眠をとっている所、袁紹は秘書にそう言われ起こされる
    「あやつめ…今一体何時だと…」
    深夜4時である
    「あー、うむ…あー、で、………………っ何だとぉぉぉぉぉぉぉぉおおとりあえず病院は急ぎ手配してやる」
    面倒な事を…と袁紹はぼやくと秘書に車の手配を命じた


    数時間後
    夏侯惇は病室でゆっくり目を覚ました。
    「孟徳…ここは?」
    「袁紹に用意させた特別な病院だ…安心しろ…」
    曹操は優しく声をかける。
    「担当医を呼んでくる。安静にしていろ」
    「お前…怪我は…?」
    部屋を出ようとする曹操に夏侯惇が心配そうに声をかける
    「かすり傷ひとつ無い。大丈夫だ。」
    曹操の言葉に安心して夏侯惇は「そうか…」と微笑んだ。


    帰国後

    曹操の会長室にて
    上機嫌の袁紹
    「夜中に叩き起されたときはどうしてくれようかと思ったがあれがまさか大手柄になろうとはなはっはっは!」
    曹操はうんざりした顔を書類で隠しながら袁紹の話をきいているふりをしていた。
    というのも夏侯惇に使用された媚薬は袁紹の悩みの種であった反社会組織である董卓らの資金源での1つであり今回その製造、販売ルートを曹操の協力の元、袁紹が一網打尽にしたのである。
    そんな組織と関係があったとあれば、かの皇族の転覆も秒読みである。
    袁紹の朝からくりかえされるこの武勇伝に曹操もいい加減嫌気がさしてきたが
    こっそりくすねた数個の媚薬の事を考え、もうすこし付き合ってやることにした。

    (そういえば体に害は無いと医者も言ってたしな…)
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