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    iori_in_azm

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    iori_in_azm

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    前回のDom/Subユニバースの続き。
    なんですけど、読んでも読まなくてもいいです。

    前回どう読み返してもイデ監未満だったので、2人が付き合うまでのお話しをとりあえず。
    これが無いと今後が書きにくいので書いた0.5くらいのお話しと思ってもらえたら…。

    ※プレイはしてないです。

    #イデ監
    ideeSupervisor
    #Dom/Subユニバース
    dom/subUniverse

    イデ監(パートナー)※Dom/Subユニバース初めてケアをしてもらった日から数日が経ったある日。身体の不調が出てきたため、私はイデア先輩の部屋を訪れた。

    私の訪問に驚いた顔の先輩は、周りをキョロキョロと見回したあと私を部屋の中に入れてくれた。

    「ど、どうしたの…」
    「あの言いにくいんですけど、その、この前のやつを…して、欲しくて…。」
    「この前…え"?あ、ケ、ケアのこと?」

    信じられない顔をした先輩に私はゆっくりと頷いた。

    「あれから、ちゃんと自分なりに勉強したんですけど…。」

    ピクリ、と先輩の眉が動いた。

    「……勉強したんだ。それで?」
    「っ、あの、えっと…」
    「あっ、あぁ、ご、ごめん…っ、大丈夫?」

    ビリリ、と肌に鳥肌が立つ感覚に、あ、もしかしてこれが書いてあったグレアってやつかな…?と自身で身体を抱き締めながら、耐える。

    「大丈夫です、それで…その……」
    「待って…。なんとなく察してるけど、本当にそれでいいの?」
    「え?」
    「…君、恋人とかいないの?いるならまずその彼に相談したり、伝えた方がいいんじゃないの?」
    「へ?え、こ、恋人…ですか?ふ、普通にいませんけど…」
    「…………え?え?マ?き、君こんなにオオカミみたいな男ばっかりいる学園で、まだ誰にも食われてないの?」
    「は、はい…。ていうか、え?」
    「そ、そっか…えー…あー………。うん、とりあえずわかった。で、その、………続きどうぞ。」

    まさかの方向に話しが逸れて、ちょっと拍子抜けしてしまったが、もう一度深呼吸して、先輩に伝えたい内容を口にする。

    「私の、コントロールを先輩に預けたくて…」
    「………ど、どうして僕なの?」
    「そ、それは…」

    パチン、と小さく爆ぜる先輩の髪がどの感情なのか、わからなくて怖い。バクバクと心臓が飛び出そうなほど鳴っている。ちょっとづつ築いてきたこの関係を、いまから口にだす一言がジェンガのように崩す可能性だって0じゃない。

    だけど、今言わなければ。

    口にしてしまったら最後な気がして、ずっと奥にしまっていたその気持ちを丁寧に掬いあげて、そっと持ち上げた。

    私はずっと前から、この少年のように無邪気で、時折お兄ちゃんのように優しくて、天才で、カッコよくて、陰キャでオタクな貴方のことが

    「……好き、だからです。」

    時が、止まったかと思った。

    先輩の部屋の電子音だけがする部屋で、この沈黙が永遠のように感じて、先輩の顔を見れずに床ばかり見てしまう。

    「それって、この前ケアしたから、脳がバグ起こしてるんじゃないの?」

    まさかの言葉が鼓膜を揺らして顔を弾きあげた。

    「違いますっっ!」
    「っ、ぼ、僕なんて君に、好かれる要素ないし…ほら、君たくさん素敵なお友達いるし…ていうか、なんで僕?もしかしてドッキリかなんか?だとしたら相当悪質ですぞ…」

    気まずそうに笑う先輩の顔を見て、瞳にうるうると涙が溜まっていく。あぁ、泣いたら余計に困らせてしまう。早く立ち去らなければ。絶対に選択肢を間違えた。

    「……困らせて、すみませんでした。帰ります。」
    「っ、え、待っ、泣いて…」
    「泣いてません、失礼します。」
    「待って、ごめん。監督生氏…っ」
    「いや、離してくださいっ!」
    「待てって言ってるだろっ!!!!」

    先輩の手を振り払って、ドアの方へ走ろうとすると凄まじい圧に立って居られなくなった。

    「あ…ぁ……え…っ、」

    がくんと折れて膝が床に着いた。ビリビリと先程とは比べ物にならない圧を感じて身体が震える。

    「っ!?ごめん!大丈夫!?」
    「へ…ぁ、だ、大丈夫です…っ、」
    「あー…もう…これだから嫌なんだ…。」

    先輩が頭をガシガシとかいて私と距離を取る。

    「僕は…その、Domの中でもかなりGlareが強い。だから、その…Subの子とはできるだけ距離を取ってるんだ…万が一があったらいけないから。…現に君も、こうやって危険に晒してしまっているわけで…。だから…」

    クラクラする頭の中で、先輩の言葉を噛み砕くが中々咀嚼出来ない。つまりなんなんだ…先輩は何が言いたいんだ…?

    「…そ、それって、私が、先輩のこと好きなことと、何か関係がありますか?」
    「え?だから、これからも些細なことで君を傷付ける可能性が十分あって…」
    「……それじゃあ、先輩は私が、Subだから付き合えないってこと、ですか?」
    「え?」
    「Subじゃなかったら、付き合ってもらえた…?」
    「いや、その…そういうことを言いたいんじゃ…」

    あぁ、ダメだ、こんな、従わないといけない相手に噛みついて…私は…本当に…だめな………

    「…か、監督生氏!?え、待って、サブドロップしてない!?」

    カヒュッと息ができなくて喉がなる。フラッと倒れる身体を、走ってきた先輩に抱きとめられた。

    「ご、ごめ…なさい…っ、ごめんなさいっ…」
    「ま、待って監督生氏、聞いて。僕の声、聞こえる?聞こえてたら、頷いて。」

    途切れ途切れの意識の中で微かに先輩の声が聞こえて、コク、と頷く。乱れた呼吸が全く整わない。

    「いい子…監督生氏、そのまま。そのまま僕の声を聞いてて…ゆっくり、ゆっくり深呼吸して。…そう、上手、できてる、大丈夫…。」
    「はぁ…はぁ……」

    先輩の言うことを少しでも守れている事実が呼吸を正常に整えていく。

    「…そのまま、深呼吸したまま、うん。…kneel。できる?」
    「…っ、」

    先輩の腕の中から抜けて、震える身体でペタリと床に座ると、大きな手が私の頭を撫でた。冷えきっていた心がじんわりと熱を持って暖かくなっていく。

    「Good、上手だね…。」
    「ぁ…っ、先輩…っ」

    先輩の褒め言葉が私の頭を一気に快楽へと引き上げる。
    先程と全然違う心地良さに、身体が意識ごと持っていかれそうだった。

    「僕のSubになってもらうには勿体無いくらいだよ…。」
    「でも…、私は…先輩がいい…っ」

    頭を撫でる先輩の手が止まった。

    「他の誰でもない…イデア先輩に…全てを支配して欲しい…っ」

    ポロポロと涙が止まらない。
    ゆっくりと先輩がその涙を拭って私の頬に手を添えた。

    「僕…さっきも言ったけどこういう体質だから、自分のSubを持つの、はじめてなんだ。だから、まだ、君のコントロールを預けられた時、どういう風にしてしまうか、正直分からない。でも、それは君も同じことで。相性がいいね、なんて前に言ったけど本当のところはどうなるか…。」

    少しフワフワする頭で私は先輩の話しを黙ってきいている。

    「ただ、一つ確かな事として君に言えるのは…その…僕も、君のこと好きだよ。」
    「へ…?」
    「さっきは、その、本当になんで僕のこと好きなのか分からなくて、ていうか今でも分かりませんが…。でも、これだけ君が取り乱すほど僕のこと好きって本気で思ってくれてるなら、信じてもいいのかなって…。」

    身体の力が抜けていくのを感じる。

    「…身体どう?楽になった?」
    「ん…はい……。取り乱して、すみません…。」
    「こっちこそ、本当に、ごめん…。あー………こ、これからよろしく…。」
    「っ、よろしくお願いします…っ」

    ぎゅっと抱きつけば、先輩の髪がぶわわっとピンクに染まった。

    「っ!あの、えと、…ゆっくりお互いのタイプを見つけていこ……。とりあえず今日はこのままケアを続けようか。」

    こうしてパートナー兼、恋人になったイデア先輩の心地よい体温を感じながら、私は全てを委ねて目を閉じた。
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    kinoko12069

    MOURNING・好きな曲から連想して書いた当社比重めなイデ監。何の縁もない田舎の駅で会話する二人の話。この二人は付き合ってはいないです。
    ・人を選ぶ内容なので気をつけてください。卒業後設定、セフレ的な関係と妊娠の描写があります。
    ・夏が終わったばかりですが冬の話です。
    ・書き終わってから思い出しましたがこの曲、別れの歌なんですよねぇ……。良かったら聴いてみてください。
    There will never be another you「外はやっぱり寒いね」

    何もない駅のベンチでうずくまっていると、頭上から声が降って来た。今もっとも聞きたくなかったような、それなのに聞きたくて仕方がなかったような声だ。

    けれど顔を上げる気にはなれず、俯いたままそれに答える。

    「……出てこなければ良かったのでは?」

    もともと出不精な人だから、輪をかけて寒い今日などは世界が終わっても部屋を出てこないと思っていた。そういえば今朝はこの冬一番の冷え込みになるとラジオでは言っていたっけ。
    それも含めて皮肉を言うと、その人は困ったようにため息をついた。

    「君ねぇ……」

    彼は何か言いかけて、しかし止めた。そして着ていた外套を脱ぐと、私の肩に掛けて羽織らせた。冷えた身体に、そのあたたかさは染み入っていくようだ。
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