竜春♀お互い様な2人「もうこういうのやめたい」
で!
でっ、デで出た〜〜いつものやつ!約十日にいっぺんはくるやつ!
なんでそんなハイペース周期なわけ。女の子の日より頻度ヤバいじゃんこいつ。ホルモン分泌どうなってんだよいい加減病院行けって。竜胆の脳内、そして喉まで出掛けた言葉をぐぐぐっと飲み込んでニヘラと笑い三途の身体を抱き寄せた。
「こういうのって何?」
アジトから一番近いラブホテルの一番上、まぐわいを終えて備え付けの冷蔵庫からペットボトルを取って来るなりベッドで腰掛ける三途から発言があった。竜胆も隣に座り、腕の中に三途を納めたまま顔中にキスをして機嫌を伺う。
大きな瞳をウルウルさせている。いや泣きてーのコッチな、楽なセフレ1人失うかの瀬戸際だぞ。おい。
「竜胆ともうしねえ。二人で会わない」
「なんでそう思った?別にお互いフリーなんだし良くね?」
「つかオマエは兄貴居るだろうが……。マイキーとしかもうしない」
「ん〜別に無理させたい訳じゃないから、三途が嫌なら、仕方ねぇけど。本当にやなの」
怠い事に三途の眼が決壊して、涙を携えて声音まで震え出す。普段のヒステリックな情緒不安定さよりは少し可愛いかもと思ったのでヨシヨシと背中をさすってやった。
「だっ……て、ぅ、……ンだよ……」
「ん?」
「ッだから!生理来ないんだってば!!!」
つい素で反応してしまった。
「うわ……」
「ぅ。うわとか言うなよ!子供出来てても、堕すに決まってンだろ!ガキなんか好きじゃねーもん!」
ポカポカ可愛らしい打撃から段々力を込めて挙げ句の果てには首を締めてきたので、竜胆としても抵抗せずにはおれず華奢な左腕へ関節技をキメる。漸くジタバタ暴れていたが、力尽きたようで大人しく愚図り出した。
「別によ、堕すのに金とか足りてるんだけど、一人で行くの嫌で、でもマイキー呼べねぇし……竜胆、一緒来て欲しい……」
「……え、俺の子じゃないかもしれんのに……?」
「他に来てくれそうな奴わかんねぇ」
少し考えて、三途の体を解放すると今度は彼女を仰向けに押し倒して覆い被さる。一房掬った髪の毛へ唇を落とすついでとばかりに最低な発言も一緒におとした。
「行ったらまた俺とする?」
「さいあく。交換条件カスだぞオマエ」
「するでしょ?」
「するからさァ……」
また三途が殴って来ないよう両掌を押さえ付けるよう竜胆も自分の手を重ねる。
「……一緒に来て……」
メソメソ鼻を啜って泣く様子がやっぱり普段の高飛車な姿とギャップがあり可愛いかった。竜胆は二言三言で了承してやり、日程の予定を組んだ後はそのまま齧り付くようキスをして、改めて一夜を楽しむ事にした。
「もしもし」
「なに」
「生理来たわ。明日いい」
「へ?……あ〜良かったじゃん」
「うん」
「てか予定空けてたし飯行こうよ」
「お〜飯だけな」
「そーだね」
そういえばストロベリーセックスってした事なかったな〜なんて考える相変わらずの宜しくない脳内である。
その夜、三途の顔をした女の子が赤ちゃんを抱えている夢を見た。完璧に影響を受けて嫌な感じがするけれど、まだ覚めそうにない。
口元の傷もないそいつは顔の見えないまともそうな男と連れだって歩いており、清楚っぽい白いふわふわのワンピースを着ていた。なんとなく気持ちが悪くて男も赤子も取り上げて殴り殺したら漸くワンピースが赤く染まる。返り血に塗れた三途の表情も朧げではあるが、夢現つを彷徨う竜胆とて分かる。
向いてないってオマエ。そういうの。