5月半ば「おかかァッ!!」
突然の叫び声とともに、布団がめくり上げられ、ドタバタと走り去ってゆく気配。
「こんぶ!!いくら、めんたいこ!高菜ァ!!!」
騒がしく支度をする音を聞きながら、傍らのスマホを見る。6時。始業にはまだ時間がある。
あぁ、そうか。あの人今日も朝からの任務だと言っていたな。
いや、まて。そもそも、なんでアンタ俺の部屋で寝てたんですか。しかも昨夜は任務が長引いて日付が変わっても帰って来てなかったのに。のそりと起き上がると、裏返しのまま乱雑に脱ぎ捨てられた制服。袖を戻して整えながらその理由を考える。
以前にも同じような状況で残して行った下着を洗濯してあるのを思い出して、クローゼットから取り出してきて並べた。今脱いだ方の下着は洗濯カゴに放り込む。メガネのマークのワンポイントが入ったTシャツとパンダ柄のボクサーパンツ。洗濯をした方は色違いのパンダ柄のボクサーパンツとTシャツには日本刀のマークが入っている。二年は本当に仲が良いんだな。ほんの少し羨ましく思う。
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