顕現ifせーめー様がバカンスに行った先で一族繁栄のために座敷の奥の奥。塗籠に呪符や呪物につながれ、囚われている座敷童を発見して逃がす話。
「大丈夫。僕が君の助けになろう」
「・・・あんたに何ができるのさ!なんにも出来やしない癖に!!」
「出来るよ」
ふわりと童子を捕えている呪物に触れれば簡単に解呪されるような代物はぼろぼろと崩れ落ちる。
(随分と、お粗末な代物だね)
だけれどこのお粗末なモノでしかこの子を縛れなかったと言う事で分かる事はある。
この家には呪符や呪物を扱えるものがいない、ということと
座敷童が何であるかの理解すらしていない、という事。
(だったら。簡単だ)
「ね、出来るよ。そして僕は君を逃がしたい」
と言えば、今しがた解放された座敷童は呆然とした目を向け
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