英雄の葬式についてヴン爺さんの別れの儀式は彼の子供達だけで行われた静かででも少し賑やかで暖かいものであって欲しいし、逆にバン爺さんの葬儀はもはや国葬であって欲しいでござるよ薫殿。帝国と共和国のお偉いさんが厳粛な雰囲気の中長い長い弔辞を読んでもはや子供には拷問みたいなやつがええ。
バンによく似た孫(11歳)が偉い人たちから何か言われて引き攣ったような笑いを浮かべているのをちょっと離れたところから見ているヴン似の孫(12歳)
「はい、勿論です。未熟者ではございますが祖父の名に恥じぬよう精進いたします」
「………」
でもあとでフィーネお婆ちゃんが身内&旧友だけのお別れ会を開いてくれる
「ああいうの、あの人は一番嫌いだったわ」
あそこに一般人みたいに紛れ込んでいるのが先帝陛下よ
帝国、共和国ともに神格化さえされて永く語られる英雄に相応しい式典にすべく、いろんな人の手が入ってしまい、晩年の本人もそうなることはもう分かっていた。
親しい人間は彼がこういった堅苦しい行事を一番嫌う事を知っていたが、反対する事で起こる軋轢を、彼本人が憂いた。
なので、残された遺言に従っての「本当のお別れ会」はそれはもう賑やかだった。湿っぽい話は全くなく、ただただ朗らかで、この中を探せば一緒に笑っている彼がいるのではないかと思えるほどだった。
そんな中、酔いが回ったシュバルツ博士だけが号泣していたことも、そっと記しておこう。
「フィーネさんを残していくなんて…貴様…!約束したじゃないか…ずっと守るって!!」
博士、たぶん気持ちが20代の頃に戻ってるんだと思いますが、横で奥さんがクソ冷たい目で見てますよ
「ばぶぅ」
「子供だってこんなに小さいのに…」
博士、その赤ん坊は曾孫です。息子さんはもう50代ですよ
「いい歳して泥酔して仕様のない奴だ」
とか隣の兄に言われてて欲し…長生きだな…
順番からいって先やろという気持ちと、あのひとりぼっち独立強襲兵の家族が増えて(ひ孫を含めると10人以上)、賑やかになったところ見届けて欲しいって気持ちがある。老年になっても背筋伸びてそうだな…
博士博士、信楽焼の狸に泣いて謝るのやめてください、俺がついていながら申し訳ないじゃないですよ、奥さんだけじゃなくフィーネさんもピキピキきてますよ
ついでに言うと、孫同士、爺さんの教えを見せてみろ!という餞ゾイドバトルを「ウォォォ!助けに来たぞ!バン・フライハイトぉ!メガロマックス・ファイヤー!!」で台無しにしてくれた事も追記しておきます。酔っ払いは手に負えませんね
「叔父様は仕様がないわねえ、シア、このお水叔父様にあげてきて」
「飲ませたらいいの?」
「いいえ、頭からぶっかけてきて頂戴」