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    ぐるコース

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    #青八木一
    aoyagiI
    #手嶋純太
    juntaTeshima
    #青手
    aGreenHand

    『俺が思う幸せを君に』青八木は、静かな喫茶店の窓際の席で、目の前のシフォンケーキを見つめた。ふわっとした生地に、甘いクリームの香りが漂う。スプーンで一口すくって口に運ぶと、柔らかな甘さが広がった。
    「…美味いな、これ」と呟きながら、頭に浮かんだのは手嶋の顔だった。

    「純太にも食べさせたいな」
    そんな思いが自然と湧いてくる。純太なら、このふわっとした食感に目を細めて、「うまい!」ってちょっと大げさに言うんだろうな。
    青八木はくすっと笑い、ポケットからガラケーを取り出した。ケーキを撮ろうとカメラを向けるけど、画質の粗さに少し苦笑い。

    「…まぁ、雰囲気だけでも」とシャッターを切った。手嶋にメールで送ろうかと一瞬考えるが、「こんなんで送ってもな…」と照れくさくなって、ガラケーをパタンと閉じた。

    ---夕暮れ時、喫茶店帰りに海沿いの道を歩いていた青八木は、水平線に沈む夕陽に目を奪われた。金色に輝く海面が、まるで世界を包み込むように美しかった。

    「…純太、これ見たら絶対何かカッコつけたこと言いそうだな」
    青八木はまた手嶋のことを考えていた。手嶋の少し照れた笑顔や、冗談っぽく感動を大袈裟に言う声が頭に響く。

    「青八木、すげえだろ! これ見ろよ!」って、目をキラキラさせて言うんだろう。青八木はそんな想像に口元が緩む。ガラケーで夕陽を撮ろうと試みるけど、小さな画面じゃその美しさが収まりきらない。
    「…まぁ、いいか」と呟いて、結局ポケットにしまう。

    ---夜、青八木は自分の部屋でラジオを聴きながら、ふと手を止めた。静かな部屋に流れる音楽と、時折聞こえるDJの声。ひとりの時間も嫌いじゃないけど、どこか物足りなさを感じる瞬間がある。それは、手嶋の存在が頭をよぎる瞬間だ。

    「純太、元気かな」 何気なく呟いて、青八木は自分の気持ちに少し驚く。特別な理由もないのに、手嶋のことを考えるのがこんなに自然だなんて。美味しいものを食べたとき、美しい景色を見たとき、いつも「純太にも見せたい、味わわせたい」と思う。それはまるで、幸せな瞬間を手嶋と共有しないと完成しないような感覚だった。 でも、それが愛だなんて、青八木は気づいていない。ただ、手嶋の笑顔や声が、日常のあらゆる瞬間にそっと寄り添ってくる。それがあまりにも当たり前で、青八木はただその温かさに身を委ねていた。

    ---ある日、青八木はいつものように手嶋と待ち合わせた。喫茶店のカウンター席で、手嶋はレモンティーを飲みながら青八木を見ている。

    「なあ、青八木、なんか今日機嫌いいな?」と手嶋が笑う。
    「そうか?」青八木は首を傾げつつ、ポケットからガラケーを取り出した。
    「…これ、前に撮ったんだけどさ。見てよ」 小さな画面に映るのは、あの日の夕陽の写真。画質は粗いけど、手嶋の目が少し大きくなる。

    「おお、すげえじゃん! なんでこれメールしてくれなかったんだよ、青八木!」
    「…別に、こんな画質で送ってもなって思って」
    青八木は少し顔を赤らめて、オレンジジュースを飲んで誤魔化す。

    「バーカ、撮ったらすぐ送れよ。俺、こういうの好きなんだから」
    手嶋は笑いながら、自分のガラケーを取り出して、青八木の写真をじっと見つめる。 青八木は手嶋の笑顔を見ながら、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

    「次は、ちゃんと一緒に夕陽見よう、純太」
    「お、なんかロマンチックじゃん、青八木!」
    手嶋がからかうように笑うけど、その目は柔らかくて、青八木の心をそっと包み込むようだった。 青八木は、手嶋と過ごす時間が、どんな小さな瞬間も幸せで満ちていることに、まだ気づいていない。でも、手嶋の笑顔を思い浮かべるたびに、彼の心はもう少しだけ、愛に近づいていくのだった。
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