熟考の末俺にとっては大き過ぎるベッド。もう慣れた光景だ。靴を脱いで寝巻き姿となった俺は、大の字になって寝転がる。
今は一人しかいないこの空間で、俺は先程の出来事をぼんやりとした頭で思い出していた。
「…夢、じゃない…よな…」
最初彼から言われた時は何も考えられなかった。元々諦める筈だった物が急に目の前に現れて、俺がずっと欲しかった言葉を…シドは伝えてきた。
『好きだ、リンク』
「好き、かぁ……あ〜〜!!」
気恥ずかしさを飛ばすように枕に顔を埋める。変な熱が上がり、若干汗ばんでいるのが自分でも分かるくらい、俺の心は動揺していた。
「って事は、今日からシドは俺の……」
──恋人、になったのだ。
「っ〜〜〜!」
自分で想像しておきながらまた恥ずかしさに2度目の枕ダイブ。人がいたら絶対引かれるであろう言動をしながらも、俺自身は幸せに浸っていた。
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