「わからない」の怪「俺さ、今日すっげえアタマ痛いんだよね。なんかヘンな夢見てさぁ。」
駅前にある大手居酒屋チェーン店の一角、目隠しになり過ぎない程度の高さに仕切られた半個室の中で、俺は今日見た夢の話をしていた。
テーブルを挟んだ目の前の席には、俺と同い年くらいの女の子が三人。かわいいかと聞かれれば微妙、と答える程度の顔ぶれだが、今日は俺の親友がセッティングしてくれた合コンなので、すぐに帰るわけにもいかない。俺はいまいちやる気も沸かないまま、適当な話を続けてお茶を濁していた。男側として参加している俺たちの後輩が、俺の2つ隣の席で携帯をいじりながら落ち着かなさ気に呟く。
「先輩、まだ連絡が無いんだよなぁ……。赤城さん、何か聞いてません?」
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