「あ、あの…マオジくん?」
「何だ?」
「何で私、壁際に追い詰められとるん?」
突然マオジは結衣をベッドの上で壁際に追い詰めた。状況が理解出来なかったので説明を求めようとする。
「…だってオレたち恋人同士なのに手、繋いだり抱きしめたりしてるのにその先はしたことないなって」
「その先って…」
「キスだけど」
「キっ!?」
キスという言葉で結衣は顔を真っ赤にした。
(キスってあれだよね?口と口を合わせる行為…漫画やアニメでしか見たことないけどえ?え?)
するとマオジは微笑みながら結衣の頬を優しく撫でた。焦ってる私を見て楽しんでいるのか頬を撫でるついでに指が首の方へとなぞる。
「…っ」
「顔真っ赤。おまえ、可愛いな」
「か、可愛くない!」
「そう思ってるのはおまえだけだぞ。オレにとっては十分に可愛いし何ならオレの腕の中で閉じ込めて独占したい。それでも否定するならキスで分からせるてやるぞ」
「わ、分からせっ!?何を言うてんのこの子は!?」
突然の爆弾発言で結衣の顔は更に顔を真っ赤にする。顔から火が出るというはこういうことか…じゃなくて!
あまりの爆弾発言で動揺したせいでマオジは結衣の顔を近づいて思わずマオジの口を手で阻止した。
「ちょ、ちょっと待って!キスって、まだ心の準備が…!」
するとしびれを切らしたのか、口を手で押えられたマオジが結衣の手を掴んで退かし、「もう待った」と小さく言い放って結衣にキスした。
「…んっ」
あ、キスってこんな感じ何だ…ファーストキスはレモンの味とかどこかで聞いたことあるけど全然そんなことは無かった。むしろ味は先程マオジが作ってくれたアップルパイの味がした。
しばらくしてキスが終わりははっとマオジは笑い…
「やっぱりおまえ、可愛いなぁ…」
とまた結衣にキスをした。
*おまけ*
「キスどうだった?」
「…え、えっと…良かった…です?」
「なんで疑問形なんだ?」
「だっ、だって私、初めてキスしたし…よく分からなかった」
「え」
「え?」
………
「はぁ〜…」
「えっちょっマオジくん!?」
(オレが初めて…嬉しいどころじゃないぞ…)