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    manju_maa

    @manju_maa

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    manju_maa

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    細かいことは全て無視してとにかくキングゥに諦めきったギルさまを殺してほしかったから書いたなんでも許せる人向けバビif。

    皆死んでる。
    なんでも許せる人向け。
    細かい設定は全部無視してる

    結論から言うとウルク───つまり旧人類は敗北した。
    栄えた町から聞こえる声は一つもなく、例外なく民は全員滅びた。
    そして、人理を守らんと未来からやって来た異邦人。……カルデアもまた、敗北した。
    視線を横に逸らすと見えるのはかつて藤丸立香と呼ばれていたマスターとそのサーヴァントである盾の少女の亡骸。
    彼だったものが付けている腕輪から聞こえる、カルデアの男の声も、やかましかったのでその手首ごと踏み潰した。
    そして、キングゥである僕は。
    今や旧人類最後の生き残りともいえる男。ウルクの王…ギルガメッシュの身体に跨り、その無様な姿を見下ろした。

    僕を見上げるギルガメッシュの瞳に戦意は無かった。
    覆らなかった未来に絶望したのか、己の無力さを嘆いているのか。そんなことはもう、分からない。
    とにかく目の前の男は、とうに戦意はおろか生気すら失っていた。

    「……何か言うことは無いのかよ」
    「今更我が何を言ったところで、何も変わらぬだろう」
    「ああ、そうだ。お前達は敗北した。旧人類はお前が死ねば終わり。そしてその終止符を僕が打つ」
    「そうか」

    ハァと大きく息を吐く。

    「立香とマシュが死んだ時点で人理は詰んだ。仮に生き残ったところで未来はなく、我ができる術も何も無い。正真正銘貴様らの勝ち、というわけだ」
    「………」

    ハハッと小さく笑う。
    完全に諦めきっている態度。
    ギルガメッシュは自分の首に手を伸ばし、首に付けられた黄金の装飾を外し、どうぞと言わんばかりに首を伸ばした。

    「抵抗はせん。煮るなり焼くなり好きにせよ」
    「―――――――」

    そうしてギルガメッシュは笑みを浮かべながら目を閉じた。
    装飾が外れたことで露になった細い首。
    吸い寄せられるように、僕の手はその首に伸びて行った。

    「……………」
    「……………」

    力を入れてはいないものの、僕の両手は完全にギルガメッシュの首を掴んでいる。
    力を入れればすぐに、その首は締まるだろう。
    そんなこと、コイツなら分かっているはずなのに。
    …なのに。ここまでしても、コイツからは抵抗する気配を感じなかった。

    僕にはそれが腹立たしかった。
    ギルガメッシュという男は、こんな奴ではなかったはずなのに。

    「……なんでだよ」
    「ん?」
    「お前は、そんな簡単に諦める奴じゃないだろ…なんだよ…なんなんだよその腑抜けた態度は!」
    「無茶を言うな。この有様を見て、どうしろと言うのだ」
    「それでも!最後まで諦めないで、抗い続けるのがお前だろ!!」
    「……………」

    赤い瞳が、僕を見つめた。
    しかしすぐにフッと笑う。

    「不思議なことを言う奴だ。これはお前が望んだ結末ではないか」
    「え…?」
    「もっと喜べよ、キングゥ。『我を殺す』と言ったのはお前だろう。『この世界は我の死と共に終わらせる』と」
    「っ!」

    そうだ。
    母さんの敵は僕の敵。
    目の前に居るコイツさえ死ねば、母さんの敵は居なくなる。僕が望んだ世界になる。
    ……殺すんだ。殺さないと。僕が今、この手で。
    それができるのは、僕しか居ないのだから

    「そら、その時が来たのだぞ。さっさとやらぬか」
    「………………。…ッ!!」

    グッと、手に力を入れた。
    潰すように、爪をくい込ませるように。

    「……っ…………」

    酸素を取り込めなくなったギルガメッシュの身体は強ばる。
    しかし、それでも抵抗はしない。
    待っていた、と言わんばかりに口を釣りあげたままだ。

    「……死ね……死ね!死ね死ね死ね!お前はっ、ここで死ね!ギルガメッシュ……!」
    「………………」

    どんどん締める力を強めていく。
    力を込めれば込めるほど、手のひらに頸動脈越しから脈拍が伝わってくる。

    「…………が………………っ……」

    小さい声が漏れる。
    僅かでも取り込める酸素を求めるように。
    本人がどう思おうとそれに反して身体は最後まで生きようとする。
    しかしそれは僕が首を絞める力を弱めない限り叶わない。
    心拍は既に落ちてきている。
    もう少し、もう少しで──

    「……!」

    不意に、伸びてきた手が僕の頬に触れた。
    今や冷たくなったその手は、愛おしそうに僕の頬を撫でる。
    光を失いつつある赤い瞳の中に僕が映っているのが見える。
    でも───きっと、……その目に映るのは『僕』ではない。

    そう思ったら、無意識に力んでしまった。

    「あ……」

    あっさりと、硬い何かが折れる音がした。
    その音を最後に、頬を撫でる手は糸を切った操り人形のごとく、崩れるように地面に落ちた。

    「ギルガメッシュ……?」

    返事はない。
    首から手を離して、肩を掴んで揺さぶる。
    完全に脱力したその身体は、いくら揺さぶっても何も言わない。

    「ギルガメッシュ……………………ねえ…………ギル…………起きてよ………………」

    ギルガメッシュは既に、ギルガメッシュだったものに成り果てていた。

    「──────────────」

    これで、完全に終わった。僕達の目的は果たされた。
    旧人類は、完全に敗北した。
    喜ぶべきはずなのに、なのに、どうして僕は。
    こんなにも……虚無感に囚われているのか。
    分からない。何も分からなかった。

    「dyq@?dyq@k?(しんだ?しんだの?)」

    気づけば、背後には量産型の兄弟達が群れていた。
    振り向くことはせずに、返事もしなかった。

    「dyq@yq@<。nyudyq@!(しんだんだね!みんなしんだ!)」

    ケラケラケラと笑い声が響く。
    ……甲高い声が耳障りだ。

    「d@73fd@/94。3qodepte=fd@/94(じゃあはじめよう。あたらしいせかいをはじめよう)」
    「ckq/if、(そのためには)──」

    もう、何もかも、どうでもいいや。

    「6j5f、m4eoue」
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    Replies from the creator

    manju_maa

    DONEタイトル通り。二番煎じに二番煎じを重ねてテンプレを煮詰めたような話。たぶん主明
    ※ペルソナとか異世界とかなんもない本編とは全く関係ない謎時空
    ※明智が架空の病気(※ここ大事)で心臓弱い子
    ※明智ママがガッツリ出てくる。
    ※なんでも許せる人向け
    小学生の病弱吾郎くんと蓮くんが出会う話①この街には小学校の登校路から外れた道を行くと、低めのフェンスに囲まれたかなり大きい家がある。アニメなんかでよく見るお屋敷のそれ。道路も公園も、なんなら住宅も少ないその区域に静かにひっそりとそれは佇んでいた。
    フェンスの内側は芝生が生えた庭があって大きな桜の木が一本生えている。花見し放題だななんて思いながらボーッと眺めていたある日、飛び交う桜の花びらに混じって木の陰に隠れていた屋敷の二階の窓から外を覗く奴が居ることに気づいた。
    チョコレートのような、牛乳をたっぷり入れたココアのような、そんな茶色の髪を風で揺らしながら。夕方近いとはいえまだ太陽が昇っている時間帯にパジャマの上からカーディガンを羽織るという格好で、そいつはずっと外を眺めていた。髪は長いし顔も女の子みたいで、下から見上げるだけじゃ性別は分からない。年齢は多分同い年くらいだと思う。
    35875

    manju_maa

    PROGRESSごろうくん視点。獅童編中盤の全カットした空白の二週間の話の一部とヤルオ討伐後の話。「」ない。
    本当は本編に入れたかったけど時間が足りなくて泣く泣く書くのを止めたけどやっぱり書きたかったから書いたシーン
    来栖暁に育てられたあけちごろうくんの話~番外編③~色んな人の世話になりながら、39度近くまで上がっていた熱は完全に引いた。今は蓮が診せたという医者に言われた通り、静養期間だ。身体が元気なのに学校にも仕事にもなんなら外にも出れないというのは、中学時代の謹慎中の三日間を思い出す。
    熱がある間は昼間は双葉に、夜から朝は蓮が泊まりがけで付きっきりでそばに居たが、熱が引いたことで蓮はひとまずルブランに返した。
    『こうなったのは俺のせいだから』『お前は放っておくとまた無理するから』と色んな理由を述べられて拒否されたが、ならモルガナを監視役として引き続き家に置くからという妥協案を出すと、渋々承諾した。とはいえ昼間は双葉が家に乗り込んできて持参したパソコンをカタカタといじっている。蓮と約束ノートなるものを作って、それのおかげで一人で外出もできるようになったんだと自慢げに話していた。『明智はわたしの恩人だからな!』と満面の笑みを向けられたときは眩暈を起こしかけたが何とか耐えた。
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