ウサギの陥落 赤の王がご執心の白ウサギ。
幼馴染でもある二人は、この不思議の国では名物の二人だった。
后に迎える気満々の赤の王と、恐れ多いと逃げ回る白ウサギの追いかけっこがほぼ毎日繰り広げられているからだ。
とはいえ白ウサギが赤の王を嫌いなのか、というと、そうでもない。
むしろ赤の王と同じくらいの矢印を白ウサギも向けている。
いわゆる両片思いとかいうヤツ、いや、両想いは両想いだった。
ただ后になることに白ウサギが逃げているだけだ。
今日も今日とて、逃げる白ウサギは赤の王の城の裏庭で、赤の王のいう事しか聞かない不思議な茨に捕らえられていた。
「っ!! こらーーーー、また[[rb:茨 > こいつら]]に命令したなっ」
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