ワンドロ:秘密 ボンッ
と聞き慣れない音がした。反射的に目を瞑ってしまったが、何が起こったのか気になってすぐに開く。目の前にいたはずのジャンがいなくなっている。代わりに髪の長い男がいた。
「なんだ? 誰だ?」
「あ? 分かんねぇのか? 俺だよ俺」
その声は紛うことなきジャンのもので、俺の脳内は混乱極まれりだ。
「ジャンがデカくなった……」
「惜しいけど違うな。お前のジャンは今俺のライナーのところにいるはずだ」
「は……?」
「簡単に言うと入れ替わってるってことだ」
状況は全く飲み込めないが、髪の長いジャンが淡々と喋るもんだからそれが事実だと受け入れるしかない。ジャンは楽しそうに笑って俺の膝に乗ってきた。
「そういうわけだから、俺らは俺らで楽しもうぜ」
「え、は?」
「あっちはあっちで楽しんでんだろ」
手際よくシャツのボタンを外され、ズボンのジッパーを下される。呆然としていたら下着の上から柔らかく握り込まれ腰が浮いた。
「ちょ、ちょっと待って」
「なんでだよ。あんまり時間ねぇぞ」
ジャンに待ってくれる気配はない。俺の股の間におさまると、下着を下ろされ、あらわになったモノに手を添えキスをされる。ジャンは躊躇う素振りもなく、大きく口を開け俺のモノを咥え込んだ。
「ジャ、ジャン、ちょっと待ってくれ」
「ひもひよくねぇか?」
「咥えたまま喋んなっ」
入れ替わったというこのジャンは俺より随分大人だ。その分技術を持っている。ジャンの口淫で俺は呆気なく果てた。
「やっぱ若いと早ぇな」
ぐいと口元を手で拭ったジャンが揶揄うように言った。俺が出したものを大袈裟に飲み込んで口の中を見せつけてくる。その姿が無性にエロくて思わず喉が鳴った。
「回復も早ぇんだろ? 次はコッチな」
ズボンと下着を纏めて脱いだジャンが俺の上に乗ってくる。くちくちと俺のモノを扱きながら、先端を後孔にあてがった。たいして慣らしもしてないのに、ジャンの中にスムーズに入っていく。ジャンが恍惚とした目で俺を見た。
「そんな心配そうな目で見るなよ。ちょうどヤろうとしてたとこだったから準備は完璧だ。食い千切ったりしねぇよ」
ジャンはゆっくりと俺のモノを飲み込んだ。最奥を突いたとき、しなやかに背を反らす姿がまたエロい。ここまできてされるがままでいられるわけもなかった。下から突き上げるとジャンの口から甘い声が漏れた。
俺の律動に合わせてジャンが啼く。俺の知っているジャンとは違うはずなのに、その声はいつものジャンと変わらない。耳と脳がバグって何も考えられなくなっていた。ただ腰を打ち付ける俺に、ジャンは上から見下ろしながら舌舐めずりをした。
「乱暴」
そう言われても動きを止めることはできない。すぐに限界がきてジャンの中で俺は果てた。
「おい、俺はまだイッてねぇぞ」
ジャンが呆れたように言って俺の首に手を回す。キスされるのかと思うくらい顔が近付いた。
「残念だがそろそろ時間だ。俺らがヤッたことは秘密にしとけよ」
ジャンの息が肌にかかる。またボンッと音がして、次の瞬間には腕の中にいつものジャンがいた。くったりと目を閉じて眠っている。俺のものとは違う香水の残り香がした。