とある日の朝のことだった。朝ご飯の支度を終え、寝室でまだ眠っているらしいコウスケに声をかけた。
「コウスケ、飯出来たよ」
普段なら声をかければ小さく返事をして、ぼんやりとした顔でリビングに現れるのだが、
今日は何故か現れない。どうしたのだろうと寝室へ行くと、布団を頭から被って蹲っているようだった。
「コウスケ、大丈夫?体調悪い?」
声が近くから聞こえたことに驚いたのか、彼は少々布団の中で身動ぎした。そしてか細い声で「……はい」と返事をした。
「ご飯食べれない?」
「…いえ、食べられると思います」
「起きるのは厳しいかな?」
「……少し。もうちょっと落ち着いてから行くので、先食べててください」
「分かった……無理やり食べる必要はないからね、俺は今日臨時で休みもらってて家にいるから、その時に食べるのでもいいし。あと…………今日、大学へは行くの?」
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