Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    みひろ

    @mihiro_stardust

    凪茨メインに健全なものも置いて行くけどすけべな絵も落書きでもなんでもここに置いていく。
    フォローご自由に!
    リアクション頂けますと喜び狂います❀.(*´▽`*)❀.

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🐍 🍎 🌟
    POIPOI 51

    みひろ

    ☆quiet follow

    Edenの解像度がそこまで高くない時に書きなぐったアイナナのTRIGGERとのクロスオーバーの話。
    安定の801、続きが思いつかなくなったので供養します( ˇωˇ )

    #クロスオーバー
    crossover
    #TRIGGER
    #Eden

    引き金の楽園バタン!と大きな音を立てて控え室のドアが開く。そこには何やらとんでもないものでも見たと言わんばかりの顔をした漣ジュンが肩で息をしながら立っていた。

    「どうしたのジュンくん。扉は静かに開けなきゃダメだよね?」
    「っすけど、今はそうじゃなくて…っ」
    「うん、話は聞くから落ち着こうか」

    はい、とジュンの分である水が入ったペットボトルを渡す凪砂。ジュンは礼を言いながら受け取りその水を喉へと流す。一息つけばバッと勢いよく顔を上げた。

    「オレ、見たんです」
    「何をですか」
    「天使」

    は?と3人揃って同じ方向に首を傾げた。そんなもの存在するのだろうかと思っているであろう面々にジュンは姿勢を正して深呼吸をする。そして伏せていた目を開いて3人に向かって一歩近づいた。

    「だから、天使みたいな人がいて…」
    「みたい?その人を天使だと思ったの?」
    「ジュン、どこかで頭でも打ちました?そんな天使みたいな人間いるわけないでしょう」
    「そうかな。茨とジュンは私にとっては天使で日和くんは私の太陽だけどね」

    ふわっと周りに小花が咲いていそうな雰囲気で笑って言う凪砂。その様子に言葉が返せず黙り込む3人。この男は本当に、と言いたそうな目をしていた。傍からしてみれば「乱凪砂は心底そう思っているとでも言いたいように笑ってグループメンバーを愛でている図」である。

    「凪砂くん、…そんな照れることを今は言わないで欲しいね?表情筋が緩んでしまうよ!」
    「もうとっくに緩んでるじゃないすか」
    「自分を天使だなんて比喩されるのは正直寒気がしますがええ、閣下のお言葉ならば甘んじて受けましょう。…はい」
    「照れ隠しできねぇのバレバレなんすけど!」

    日和と茨の返答にめちゃくちゃ嬉しそうな満更でもないって顔をしてるじゃないか、と声を張って言いそうになりながらも別の言葉でひたすらツッコミに回るジュン。しかしそんなジュンを見て日和は「そう言うジュンくんは?」と問いかける。ジュンは黙り込んでしまった。

    「そ、れはぁ…」
    「ジュンは嬉しくない?」
    「うっ」

    しゅん、とする凪砂に嬉しくないとは言えないジュン。どちらかと言えば嬉しい気もするが恥ずかしい方が勝るのだった。しかしながら嘘は無いため「嬉しくない訳じゃないんですけどねぇ…」と呟く。その言葉を聞き届けた凪砂はあまり変化を見せない表情をパッと明るくする。

    「ふふ、良かった」
    (うちのリーダー喜び方が犬っぽいなッッ!!)

    コンコン、と静かにノックされるドア。
    はい、どうぞ。と、入口に近いジュンが言えばがちゃりと開く。そして姿を見せた人物から見えるはずのない白い羽根がぶわりと控え室を駆け巡った。

    「失礼します。突然お邪魔してしまい申し訳ございません。こちらに漣ジュンさんはいらっしゃいますか?」




    突然やって来た訪問者に4人は固まった。整った目鼻立ち、やや大きめの猫のような瞳に左サイドが長めでひょこりと立つアホ毛。礼儀正しく佇まいは堂々としており声の高さは日和やジュンよりもやや高め。そして何より、彼の纏う衣装は銀と黒を基調としており何処か自分たちと同じシンパシーを感じるものだった。

    「ああ君、戻っていたんだね。これ、さっき落としていったでしょう。ダメだよ。生徒手帳なんて君たち学生にとっては個人情報の塊なんだから」
    「え、あっ、ほんとだ。すみません、さっきもオレ迷惑かけちまって…、ありがとうございます」
    「解ればよろしい。さて、ボクは落し物を届けに来ただけだから失礼するよ。他のアイドルの控え室に長居するのは失礼だしね」

    ふっと笑ってじゃあ、とマントを翻して退室しようとする彼にはっと現実に戻ってきたであろう茨が呼び止める。

    「あの、うちの漣がすみませんでした。先程もご迷惑をおかけしたとの事でしたが…」
    「──大した事じゃないよ。ただ、テレビ局員とぶつかって荷物を落とした所をボクが拾うのを手伝っただけだから」

    足を止めて振り返る彼は見れば見るほど完璧とも呼べるような存在だ。なんでもこなす凪砂とは違ったほぼ完成に近い完璧な存在。茨は何処かで知っているはずだと脳裏で記憶を手繰り寄せる。するとそこへ2人ほど自分たちよりも背の高い人物がやって来た。彼と同じく黒を基調とした衣装の男2人だ。

    「やっぱり此処にいた。おい天、他所の控え室に行くなら行くってちゃんと言って行け」
    「はぁ…、ボク言ったよね?ちょっと届け物しに行くからって」
    「行先までは言ってねぇだろ。オレが言ってるのは…」
    「まあまあ、2人ともそこまでにして。それにほら、この子たちの前だし、ね?」

    1番背の高い彼が言えば押し黙る2人。急に始まった口喧嘩に4人はどうするべきだったのかと瞬きをしていた。そして2人を止めた男が4人に向き直る。

    「ごめんね、驚かせちゃって。天が届けたかった落し物は受け取れたかな」
    「あ、はい。しっかりと受け取りました。ありがとうございます」
    「はは、本当だ。天の言った通り礼儀正しい子だね」

    え、と顔を上げたジュンは太い眉を八の字にして笑う彼を見上げた。おそらく自分よりも年上で背も高い大男が子供のように笑っている。天と呼ばれた彼の方は「それ言う必要あるの?」と腕を組んでそっぽを向いている。そしてもう1人の方、声がどことなくUNDEADの乙狩アドニスに似ている。天と呼ばれた彼も同じ事務所の2winkの声と似ているように感じた。

    「まあなんだ。うちのセンターが突然邪魔して悪かったな。何か小言とか言われたりしてねぇか?アイツすぐああだこうだ言うからな」
    「ちょっと楽。ボクのイメージを損なう事を言わないで。それを言うなら君だって他所の事務所のアイドルに変に絡むのはどうかと思うよ」

    目の前で行われるやり取りを見ながらひそっと日和がジュンに問いかける。

    「ねぇジュンくん。もしかして天使みたいな人って生徒手帳を届けてくれた彼?」
    「はい。さっきも入ってきた時に羽根が舞ったみたいでしたし」
    「それはぼくも感じたけど…。今のやり取り聞いてると真逆なような気もするね」
    「はぁ…。でも、あちらの方が愛らしい度合いは高いと思いますけど」

    それどういうことかね!とジュンに問い詰める日和とどうしたら良いのだろうと思う凪砂。そして考え込んでいた茨は漸く答えを導き出したのか声を上げた。

    「…思い出しました。いやはやこれは大変ご無礼を!まさかあの八乙女事務所のアイドルであるTRIGGERの皆さんがいらっしゃるとは!」
    「今更それ言うのかお前。まあ、良いけどな」

    茨の言葉に楽は笑って返す。日和に説明を求められていたジュンは「先輩も先輩っすね」と言っている。自分たちよりもアイドルとして先輩で知名度も高いユニットだ。こうなったら七種茨はいつも通り、相手を褒め殺しにかかるだろう。

    「まさかこうしてあのTRIGGERの御三方にお会い出来るとは恐悦至極!アイドルの先輩として後輩でもある我々に色々とご教授して頂きたいものですな」
    「この子は口が上手いね。てっきりクレバーな和泉一織タイプかと思ったけど…。あっちはあっちで可愛げがないけど君も大概だね」

    「生意気だよ」と、茨の頬をむにっと摘む天。摘まれた茨は大袈裟に見えるほど肩をビクリと跳ねさせた。珍しい光景に日和はジュンへの追求をやめてにこりと笑う。

    「うちの茨が抵抗できないなんて珍しいね?」
    「あ、相手が相手なもので…」
    「うんうん。解っているならよろしい。なにせTRIGGERの先輩方だからね。あまり迷惑はかけたくはないし、できれば良好な関係を築きたいものだね」

    立場的に上になるTRIGGER及び八乙女事務所。その看板アイドルとも呼べるTRIGGERとの良好な関係はEdenとしても自分たちだけでなく事務所としてもプラスになることだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works