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    wakatorimitu

    @wakatorimitu

    基本坊ルク。
    にょたもR18も書く

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    wakatorimitu

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    ルックの髪をお手入れする坊ちゃんから始まるイチャイチャ話。

    #坊ルク
    TirLuc

    髪のお手入れ話レイルはお風呂上がりのこの時間が好きであった。
    髪の手入れをさせて欲しい、と頼んで手に入れたルックと2人きりの時間が。
    ルックは「わざわざやらなくていいよ」なんて言いながら、なんだかんだ好きにさせてくれる。
    本人が風の魔法で乾かしただけの髪を、香油でツヤを出し、丁寧に櫛で梳かしていく。
    お風呂上がりのルックは石鹸やらシャンプーやらで非常にいい匂いがしてグッと来るのだが、信頼して身を預けてくれるルックに応えるためにも、グッと我慢だ。

    (まあ……可愛くて時々手出しちゃうけど)

    心の中でこっそりと呟いた自分の声に悪魔が囁きそうになるが、天使の寝顔には叶わない。
    レイルのお手入れを気持ちいいと思ってくれてるらしいルックは、髪を梳かされながら、船を漕いでいた。
    こうして2人きりの時間と触れることを許してくれて、文句を言いながら多分悪くないと思ってくれるルックがたまらなく愛おしい。
    急いで髪から櫛を抜いて、ルックの頭を抱き込んだ。
    髪が引っ張られて痛くては可哀想である。
    そのまま膝下に手を伸ばして抱えあげ、ベッドに運んでやる。

    「おやすみ、ルック」

    そう言ってちゅ、と軽くキスをして、レイルは2人きりの時間を切り上げた。


    一方、運ばれる時に実は目を覚ましていたルックは真っ赤になった顔で小さく毒を吐いていた。

    「……キザバカ」

    ぼふ、と枕に顔を伏して火照った顔を冷ます。
    人が少し船を漕いだぐらいで甘いんだから。
    我慢ばかりを覚えたかの人が、それをさせる自分が恨めしい。
    次こそは我慢なんてさせずに対等になってやると意気込んだルックだった。



    あれから数時間後、レイルはもう一度ルックの部屋を訪れた。
    限られた時間の中、少しでも一緒にいたくて。
    あの時、ルックは船を漕いでいただけで、本格的に寝ていないことを知っていた。
    ならそのままルックが起きるのを待ってれば良かっただろう、と突っ込みたい方ももちろんいるだろう。
    だが、レイルの中にはそれが出来ない深いわけがある。
    風呂上がりのいい匂いをただよわせたルックはそれは魅力的で、正直に言うとあのまま抱いてしまいたかった。
    だが、ルックは多分疲れている。
    レイルの拙い髪の手入れて船を漕いでしまうくらいには。
    こちらだけに我慢させるのをよしとせず、対等でという健気な気持ちはいじらしくて非常に愛おしいのだが、どうしても受け入れる側のルックの負担が大きいのだ。
    まだ手を出すべきではない。もう少し期間を開けなくては。
    そう判断したレイルは、あえてルックの寝たフリに付き合ったという訳である。
    そうして自分の情欲が落ち着き、ルックも本当に寝たであろう時間にもう一度訪れたというのが、冒頭の1文に込められて居たのだ。

    そして、今。
    音を立てないように、慎重にドアを開けてルックに近づいていく。
    すぅすぅと寝息を立てる音に、心底安心した。
    枕の寝心地が悪いのか、ちょっとずらしてしまってる姿に苦笑する。
    そういえばベッドを共にした時は、レイルの腕枕で髪をなでなでしながら寝るのだが、朝までルックの頭がレイルの腕からズレていることはない。
    少しは心地いいと思ってくれてるのだろうか。

    (じゃあ、これくらいなら、許してくれる…?)

    レイルはそっとベッドに腰掛け、腕をルックの頭の下に敷いてみた。
    いつも一緒に寝る時となんら変わらない腕枕と頭なでなで。
    それだけで寝心地悪そうに寄せられていた眉間のシワが、解れていく。
    気持ちよさそうになった寝顔に愛しさが込み上げた。

    (…かわい……)

    自分はこの体制だと眠れなさそうだが、それもいいか、と思えるぐらいの幸せな時間だ。
    自然と甘い笑顔になって、その幸せを噛み締めていた時である。
    唐突にルックが動いた。

    「あんらもはあくにぇにゃよ」

    ほとんど開いていない目に、舌っ足らず。
    完全に寝ぼけているルックはレイルに手を伸ばし、その頭を胸まで抱え込んでしまう。

    「ちょ、ちょっとルック…?」

    普通ならドキドキしてもっと眠れないところだ。
    眠れない覚悟はしてきたが、ドキドキする覚悟はしてきていない。
    万が一また欲情してしまったら大変だ。
    慌ててこの甘いホールドから抜け出そうとするも、それどころではなかった。
    耳元で響くルックの一定リズムの鼓動が耳に心地よさ過ぎて。
    レイルをも眠りに誘おうとしている。
    好きな子とただ抱きしめあって、ベッドを共にするだけのおままごとみたいな可愛らしい触れ合い。
    それがこんなに心地いい眠りを連れてきてくれるなんて初めて知った。
    ソウルイーターを宿して以来感じなかった安心感が、レイルを包む。

    (明日ルックにする言い訳…かんがえとこ…)

    それを最後にレイルも眠りに落ちていった。

    翌朝、いつもの時間に起きたルックが、真っ赤になりながら何この状況とレイルに詰め寄るのは別の話。
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