手をとりあった先にあるのは、──────────
リンが勧めてくれた映画を、殆ど観ることのないままエンディングを迎えてしまった2人。
流れてゆくエンドロールを見つめながらセスは、首を押さえて耳を傾けながら呟く。
「…あー…、全然観てなかったな…。せっかくリンが勧めてくれたのに」
申し訳ないことをしちゃったな、と苦笑いをする様子の傍ら、しまった…、とアキラは思った。
今の今まですっかり頭から抜けていたが、そういえばリンに、映画の感想を求められていたのだ。
正直なところ、インターノットの口コミやレビューを見れば、“それっぽく”話を合わせる事だって容易に出来てしまうわけだが…可愛い妹相手に、そんなことをするのは少々忍びない。
それにそういうことは、隣にいるセスだって許さないだろう。
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