スタンリー・スナイダーは今、ピンチに陥っていた。
親から最近仲良くなったゼノと二人で行って来いと、移動遊園地のチケットを貰って来たは良いものの、まさかゼノが絶叫系が好きな奴だとは思ってもいなかった。
俺はあのジェットコースターの浮遊感が苦手なのである。
絶対に乗りたくは無い!
そう思いながらも、ウキウキとジェットコースターの方へ向かう自分より低い頭の旋毛を盗み見ながらスタンリーは溜め息を付いた。
だがしかし、楽しそうにしている彼に水を差すのも野暮である。絶対に避けたい。
そんな事を悶々と考えていれば、前を歩くゼノがこちらへ顔を向けてくる。
「おぉ、スタンっ!話には聞いていたが、ここのアトラクションの一つなのだが・・・、聞いているかい?」
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