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    竹輪葉桜帝王

    帝国の帝王

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    竹輪葉桜帝王

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    飴善心春(あめぜんここは)がおはぎになった経緯。

    いじめ描写があるので閲覧注意。

    おはぎの生まれた日異常だと、気づいたのは些細なことだった。
    クラスの男の子とたまたま2人で帰って、その男の子がたまたま、仲良くしていた女の子の想い人で、たまたま、彼は私に好意を抱いていた。
    それだけだった。

    「あの子はビッチだから誰にでもそういう事をする」

    馬鹿げた噂がいつしかクラス中に広がり、孤立した。
    孤立するだけなら良かった、耐えることが出来た。
    無視されて、居ないものとして扱われ、気づけば机に死ねとビッチとあることない事落書きされて。
    それを見た先生は笑いながら「やりすぎるなよ」と。
    大事になることを避けたかったんだろう。
    廊下ですれ違えば小突かれ、足を引っ掛けられ、弁当を便器に捨てられ、ゴミ箱をひっくり返されて、それでも誰も彼も見て見ぬふり。
    手を差し伸べてくれる人はいなかった。
    私に好意を抱いていた彼でさえ、面倒ごとはゴメンだと目を背けていた。
    制服が徐々に汚れて、ほつれてきたのでさすがに家族に勘づかれ、直接両親に相談する機会が舞い込んだ。
    私は勇気をだして、学校で受けた事を全て話し、最後には涙を流してしまった。

    「そんなことされるのは、お前が弱いせいだ」
    「お前が悪い」

    両親の口から飛び出したのは、そんな言葉だった。
    私が悪かった、私のせいなのかと、頭がおかしくなっていた私は素直に受け取る。

    翌日学校ではじめて、もうこんなことするのやめて、とお願いをした。

    「裸になって土下座したら許してあげるよ」

    そう言って笑ったのは、仲良くしていたあの子。
    私は
    私は言われるがまま服を脱いだ。
    裸になって
    土下座して謝った。
    もう二度と彼に関わらない、ごめんなさい。
    これで地獄のような日々から逃れられるなら。

    でも

    「本当にやった」

    ケラケラ笑いながら写真を撮り、彼女はそれをSNSにあげた。

    学校中に私の裸の写真がばらまかれた。

    「やめるかよこんな楽しいこと」

    彼女はそう捨て台詞をはいて、私の身体を蹴った。
    見ていたほかの女子も、同調して、蹴り始める。
    殴る、蹴る、叩く。
    嫌がらせに、暴力が本格的に追加された。

    身体にアザができて、くるしい、もう学校にいきたくないと両親に私は再度縋ったが、怒鳴られ追い出された。

    何が正しいの?

    私が悪いの?

    私が悪いなら

    私が死ねば

    私は死ねば

    解放される?

    気づけば私は、駅のホームから列車へと飛び込んでいた。

    私が死んだ事は、列車との接触、不慮の事故だと片付けられた。

    遺体に残るあざからいじめがあったのではと、家庭内暴力があったのではと警察側では動きがあったが。
    父がそれを封じ込めた。

    警官の娘が、いじめられ、何もしなかったなんて、世間では面白おかしく話題になるからだ。

    葬儀も家族だけで行い、速やかに私は墓へ入れられる。

    はずだった。

    列車と接触するかと目を閉じたその瞬間、ふわりと百合の花の香りがして、地面へと倒れ込んだ私の視界には薔薇園が広がっていた。

    「気まぐれに神隠しかよ、お嬢」
    「……うん」

    黒と白の浴衣の少女がこちらの前にしゃがみこみ、大丈夫?と声をかけて手を差し伸べる。
    それが、初めての助けの手だった。

    「だ、いじょうぶです」
    「身体……汚いね、綺麗にするね」
    「え」
    「治って」
    「いっ……た…えっ!?」

    治ってとその子が発した瞬間、激痛、その後身体の痛みが消え、足の青アザも何もかもが綺麗さっぱり治っていた。

    「あ」

    神隠し、ってもしかして、この人は神様なんだろうか?
    神様って実在したんだ。

    「……帰ってもいいよ」
    「えっ!?」

    満足したのか、その人はそのまま屋敷へと姿を消す、とても眠そうにしていたしきっと力を使って疲れたのかもしれない。
    神様も疲れるんだ……と頭の悪い考えを浮かべているとドン、と目の前に紅茶とお菓子が置かれる。

    「ゆっくり話そうぜぇ、新入りちゃんよ」
    「新入り……?」
    「あんたは普通の人間だけど、特別。選ばれたんだよ主神に」

    お茶を飲みながら詳しく話を聞いた。
    私は暇つぶしのため、飼育する人間に選ばれたらしい。
    なぜ私なのか問いかけたがアルマさんというその人は答えなかった。
    その人は隊服だ!と言って軍服…のような、ワンピースを私に渡す。
    もう1人、あとからやって来て無愛想に狐のお面を渡してくれひとは晋二さんというらしく、お面をつけている間寿命を対価に人ならざるものの力を使えるらしい。
    ファンタジーだ、とわたしはうきうきした。
    こんな感覚、久しぶりだ。

    「その力であんたの正義を示してみなよ」

    アルマさんはニヤリと笑う。

    私のようにいじめられ、苦しんでいる人は大勢いるらしい。
    そして、いじめ加害者は大した罰もうけず、のうのうと暮らしている。

    「……なまえ、おはぎでいい?」

    決心がつくまえに、主神様が顔を出し名前を与えてくださった。
    はい!と私は返事をする。
    ニックネーム、初めてだと浮かれて。

    「私……やります!」

    何も知らない阿呆共に

    制裁を
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