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    愛と平和が好き。トワプリ大好き。只今ブレトワ推し。二次創作の小説を書きます。時々昔描いた絵も投稿してます。

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    体調が悪いトワとの、優しいコミュニケーション。超短編。

    ブレ→一人称はおれ。トワのことを、リンク、と呼ぶ。十七才。

    トワ→一人称はオレ。ブレのことを、リンク君、と呼ぶ。十六才。性格は温和。天気病という病を患っている。

    天気病→湿度や気圧によって身体に影響を受ける病気。身体と同じほど、精神にも揺らぎをきたす病。

    舞台はトワの方のハイラルです。

    #ブレトワ
    bretwa

    宝玉風の強い日だった。
    リンクは日中ずっと体調がすぐれず、激しい気分の落ち込みで布団から起き上がれずにその日を過ごしていた。
    今、夜になりおれが風呂から上がってきても、リンクはつらそうにベッドの上で布団を被り横になっていた。辛うじて風呂には入れたものの、それ以外の時間はこうして横になっている。
    「リンク」
    ベッドの、リンクの隣の空いたスペースに座りながら呼びかける。窓の外では風が鳴り、窓ガラスをカタカタと鳴らしている。
    リンクはおれの呼びかけに反応して、眉間に皺を寄せ枕に頭を押し付けたまま目を動かした。
    「吐き気はある?」
    質問すると、リンクは黙って小さく首を横に振った。ふうと息を吐いて余計に枕に頭を押し付けている。
    おれはリンクの柔い鈍い金色の髪を優しく梳いた。
    「よしよし。おれの大事な大事なリンク。愛してるよ。こっち見て」
    愛を囁きリンクの沈んだ心に働きかける。彼は視線を上げおれを見た。瞳が揺れて心許ない眼差しを向けてくる。
    「ん、かわいい」
    顔を寄せ、額にキスをする。リンクが少し安堵したのかほうっと息を吐き出した。
    おれは唇を離してもう一度彼の髪を優しく梳いてあげた。リンクが瞬いている。
    「つらいよね。眠れないんだったらおれが話し相手になるから。気を紛らわすのになにか飲む?ホットミルク入れてこようか」
    おれの言葉に、リンクは横に向けた自身の顔の前に置いた手をぎゅっと握りつらそうにまた何度か瞬いた。それから少しの間彼は考え、ようやくこくりと控えめに頷いた。
    「待ってて」
    離れ際にもう一度リンクの額にキスをし、おれは階下におりていって台所に向かう。

    ホットミルクを二人分マグカップに用意して二階のベッドへ戻る。リンクに持ってきたよ、と伝えてサイドテーブルにそれらを置き再びベッドに座ると、横を向いていたリンクは天井を仰ぎまたふうと息を吐いた。
    ぐっと目を閉じ眉根を寄せてそれから息を詰める。その彼の様子をおれは見つめる。
    「起き上がれない…?」
    問うとリンクは黙って頷く。彼は先程頓服は服用したのだが、やはりまだなかなかつらいままのようだ。
    手を伸ばしてリンクの頰に手の甲を当てた。低体温の彼の頰が優しくあたたかい。
    「ゆっくりでいいから。待ってる」
    すると閉ざされていた口を開いてリンクが言った。
    「…ありがとう」
    彼の言葉が真水のように澄んでおれの心に浸透して、思わずふっと微笑みを向けた。
    リンクは体調が悪い時うんと口数が減る。だからそうした時に時折紡がれる短い言葉が、聞いているおれの胸をとびきりあたためるのだ。
    最近感じる。
    こうして体調が悪いリンクに寄り添う時間が、愛おしい。
    どんなリンクのことも寄り添うと心地良くて、もっと彼と同じ時を重ねたいと思える。
    大切な大切な、おれと彼の宝のような時間だ。
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    PASTトワが嫉妬に似た気持ちに戸惑うお話。

    ブレ→一人称はおれ。トワのことを、リンク、と呼ぶ。十七才。

    トワ→一人称はオレ。ブレのことを、リンク君、と呼ぶ。十六才。性格は温和。天気病という病を患っている。


    天気病→湿度や気圧によって身体に影響を受ける病気。身体と同じほど、精神にも揺らぎをきたす病。

    舞台はトワの方のハイラルです。
    白い花眠っていた。夢を見ていた。
    大切で大好きな人が、見知らぬ誰かと連れ立っていく姿を見る。なんてことのない風景とばかり思っていたのに、夢の中でオレは、息が苦しくなるほど胸が痛かった。嫉妬したことはなかったのに、一体。この感情は―。


    目覚めて、目尻に涙が溜まっていることに気付く。オレは悲しかったのか。よく分からない心境のまま隣を見ると、いつも隣に眠る彼はもう任務に出掛けてそこにはいなかった。それが、夢の中の光景に重なって、無性に悲しさを煽った。

    嫉妬。いや、なんだか微妙に異なる気もする。オレはいつも、例え怒り等を感じたとして、それが通り越して悲しみに直結しやすい質だ。だから多分、あの光景を見てなにかを感じて、またそうして通り越して悲しくなって涙が出たに違いない。
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    PASTふたりでピクニックでラブラブ。

    ブレ→一人称はおれ。トワのことを、リンク、と呼ぶ。十七才。

    トワ→一人称はオレ。ブレのことを、リンク君、と呼ぶ。十六才。性格は温和。天気病という病を患っている。


    天気病→湿度や気圧によって身体に影響を受ける病気。身体と同じほど、精神にも揺らぎをきたす病。


    舞台はトワの方のハイラルです。
    花かんむり麗らかな日和。小さな花が咲く樹の下で野原に群生する白い花々が風に揺れる姿を眺めた。
    おれ達が暮らす村の外にあるちょっとした野原に、ピクニックと称してリンクとふたり、やって来ていた。今は平和なこのハイラルでこうしてふたりで過ごすのはおれの夢でもあった。
    籠に入れて持ってきたサンドイッチとリンゴジュースをのんびり飲食しながらのどかな景色を心ゆくまで楽しむ。小鳥がどこかでさえすり、風が草木を撫でる音が耳を癒してゆく。
    陽光はあたたかいが風は少し肌寒く、体調が万全でないリンクは肩にショールをかけて景色を眺めていた。
    「あの花」
    静かにリンクが言った。
    「故郷の森にも咲いてた。なんだか懐かしい」
    おれは口に入れていたサンドイッチの欠片を飲み込んで、手についた屑をパンパンとはたくと、しばしその群生した白い花々を見つめた。
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