離さない行方不明のネコメが、
ある日突然帰って来た。
今まで何をしていたのか、
問い詰めようとしたが、辞めた。
きっと、話しやしないだろう。
兄が帰って来た事を、大牙は
喜んでいただろうが、問い詰めて
やりたい気持ちで一杯だろうなと思う。
(帰って来た事は嬉しいはずなのに、
酷くモヤモヤする…)
俺や大牙を置いて、何処に居たのか、
何故突然帰って来たのか、考えてしまう。
何時もの様に、タバコを吸っていると、
ネコメがやって来た。
「あれ?黒曜も休憩?」
「あぁ」
俺がそう言うと、隣にネコメが座る。
タバコに火を着け、ゆっくりと吸う。
吐き出した紫煙は、ゆらゆらと動く。
暫くの間、沈黙が続く。
話す事もなく、黙ってタバコを吸う。
そろそろレッスンに戻ろうと思った時に、
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