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    drip13p

    @drip13p

    今はディルガイのみ

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    2023年になってすぐのガ・宵・デ・胡の公式絵に頭が爆発しました。稲妻でギャル4人が恋バナしてます。CPはディルガイのみ。女子キャラの解像度が低いので口調が違ってたら教えてください。

    花火を見ながらギャル4人で恋バナする話「なぁなぁ、騎兵隊長さんは"良い人"、おらんの?」
     興味津々ということを隠しもしないキラキラした宵宮の目にガイアは気後れする。
    「良い人、なぁ……。いたら新年にこんなとこに居ないと思わないか?」
     脳裏にふわふわの赤毛の人物が浮かぶ。いけない、感情が顔に出そうだ。ガイアは脳内の赤の残像を振り払うように頭を左右に振る。
    「そうか?今身に覚えがあるっていう顔をしてたぞ」
    「女子の目は侮れないぞ♡」
     ぐいと身を乗り出してディシアと胡桃が追撃してきた。女子3人はガイアを逃がさないとばかりに物理的に追い詰める。3人が持つ炎の神の目がキラリと光ったことをガイアは視認した。ガイアは経験豊富な騎士なので分かる。これは吐くまで逃げられない、と。
    「勘弁してくれ…」
     頭を抱えるガイアとは対照的に3人の女子はウキウキと楽しそうにしている。任務が計画通りに進まないどころか余計な疲労を感じ、ガイアはため息をついた。

     数日前、西風騎士団の会議でガイアは稲妻に行くことに決まった。一番の目的は視察である。他国の実情を知ることは自国を守る上でとても重要だ。特に稲妻はずっと鎖国していたので情報が少なく、最近まで内戦していた国なので放っておくわけにはいかない。稲妻は島国なので今すぐに侵略されることはないだろうが、情報を集めるにこしたことはない。最近のモンドは夜な夜な暗躍する人物がいるからか、脅威は減りつつある。
     龍災が落ち着いたこともあり、西風騎士団は自国の守護を強固にする為、他国の情報収集に乗り出すことに決定した。駆り出された人物はガイアだけではない。アンバーはスメールに任務として行くことを聞いている。ガイアが遠い稲妻に選考された理由は稲妻の内情が全くと言っていいほど分からないからだ。困難な任務になることが予想された。力があり、経験豊富かつ何かあっても柔軟に対応できる人物と言ったらガイアしかおらず、満場一致で決まった。
     西風騎士団の決定は尤もであり、ガイアとて特に異論はない。稲妻にはモンドに流通していない酒があるという噂を聞いて楽しみに思ったほどだ。しかしガイアの義兄であるディルックは違った。稲妻に行くことを報告すると「騎兵隊長ともあろう者が何日もモンドを離れていいのか」と厭味ったらしく言ってきた。あの時のディルックの憎たらしい顔ったら!久しぶりに見たので愉快ではあったが、嬉しくはなかった。
     ディルックのことはさておき、ガイアは正式な任務として稲妻の土を踏んだ。しかし予想外の出来事が起きて計画はすぐに頓挫してしまった。
     まず第一に時期を間違えていた。稲妻に到着するや否や、すぐに後悔した。閉まっているお店もあるし、奉行所に行っても「年末年始で人が足りない」と門前払いをくらってしまった。どうやら稲妻では年末年始は仕事を休み、家族で何日も過ごすものらしい。新しい年を迎える時期であることは認識していたが、稲妻がこんなにも年末年始を盛大に祝う慣習があることを知らなかった。年明けに酒を飲んで騒ぐだけのモンドとは大違いである。
     滞在日数が長くなることが確定し、ガイアは城下町の椅子に座って途方に暮れていた。脳内のディルックがガイアを責めてくる。ただでさえ移動に時間がかかるのに、事前の調査が甘くて騎兵隊長がモンドを離れる時間を長くしてしまうとは。ディルックが拗ねてしまうことは確実だ。完璧な貴公子であるディルックはガイアの前でだけは子どものように振舞う。それが愛しい反面、面倒な時もある。さて、どうするべきか。ガイアが顎に手を当てて思考に集中しようとした時だった。
    「おにーさんどうしたん?観光に来たならここにおっちゃあかんで!」
     明るく元気な声が聞こえてきた。稲妻独特の着物に、活発さを表すように括られた金の髪。誰からも愛されるであろう笑顔。...そして炎の神の目。この女性は戦える。ガイアは即座に身構えた。
    「警戒しんといて。どんな用事で来たのか知らんけど、折角稲妻に来たなら花火見てき!」
     褐色で風貌がかなり目立っているガイアに気後れすることなく、宵宮と名乗る人物はガイアについてくるように言った。その笑顔に悪意を感じなかったので、ガイアは稲妻を楽しむことに決めた。
     宵宮のオススメスポットに行くまでにガイアと宵宮は歩きながら色んな話をした。ガイアはモンドから来たこと、西風騎士団で騎兵隊長をしていること、稲妻の酒のこと。行き交う人々が宵宮に気軽に接していく様子から、宵宮は人々から声名があることを知った。宵宮の信頼を勝ち取っておけば、稲妻でのガイアの行動が今後順調に進むだろう。ガイアは打算なしでは行動しない。余計なことを話すつもりもないことから会話のひとつひとつに気を配っている。
     目的地に到着すると、すでに先客がいた。先客は女性二人で、見るからにガイアと同じく稲妻人でない。2人はそれぞれ胡桃、ディシアと名乗った。胡桃は璃月で往生堂を営んでいる。いつも勝手にツケてくる客卿が最近ようやく財布を持ち歩くようになったので、記念に遠出しに来たらしい。ディシアはスメールでエルマイト旅団という傭兵集団に所属している。風貌からしてかなりの実力があることを伺える。名家の令嬢の護衛をしていたが最近契約が終了し、今は知見を広げる為に世界を見て回っているらしい。2人とも鳴神島をフラフラしているところを宵宮に捕まってここに連れて来られたとのこと。これはチャンスである。稲妻だけでなく、璃月とスメールのことも一気に情報収集できる。各々の国の話をしていると、宵宮は最近まで見かけなかった外国人が来ることを嬉しく思っており、稲妻の良さを知ってもらいたいようだ。
     女子3人に対し、ガイアはやや疎外感を感じた。偶然か3人とも炎の神の目を保持している。きゃぴきゃぴと3人が会話で盛り上がっている中、ガイアはドォンという大きな音につられて顔を上げた。暗い夜空に広がる色とりどりの花火の光は圧巻で、宵宮が自慢げに話していた理由が分かる。永遠かのように黒が広がる空を背景に、一瞬であるが眩い光が煌めく。すぐに空から消えてしまったが網膜に残った残像は印象に残っている。モンドにも花火はあるが、ここまで大きく、種類にとんだ花火は初めてで、ガイアは花火に釘付けになった。今回は任務で来たので一人だが、機会があったらディルックと一緒に見て、この感動を共有したいと思った。
    「今、誰のことを考えているんだ?」
     ディシアの声でガイアはハッとした。会話が全く耳に入らないほど花火に集中していたらしい。誰、と聞かれてガイアは返答を躊躇った。その隙に女子たちはここぞとばかりに攻撃を始めた。
    「なぁなぁ、騎兵隊長さんは"良い人"、おらんの?」
     興味津々ということを隠しもしないキラキラした宵宮の目にガイアは気後れする。
    「良い人、なぁ……。いたら新年にこんなとこに居ないと思わないか?」
     脳裏にふわふわの赤毛の人物が浮かぶ。いけない、感情が顔に出そうだ。ガイアは脳内の赤の残像を振り払うように頭を左右に振る。
    「そうか?今身に覚えがあるっていう顔をしてたぞ」
    「女子の目は侮れないぞ♡」
     ぐいと身を乗り出してディシアと胡桃が追撃してきた。女子3人はガイアを逃がさないとばかりに物理的に追い詰める。3人が持つ炎の神の目がキラリと光ったことをガイアは視認した。ガイアは経験豊富な騎士なので分かる。これは吐くまで逃げられない、と。
    「勘弁してくれ…」
     頭を抱えるガイアとは対照的に3人の女子はウキウキと楽しそうにしている。任務が計画通りに進まないどころか余計な疲労を感じ、ガイアはため息をついた。
    「家族だ」
    「家族と一緒に見たいねんな。分かるで」
    「すっごく愛しそうだったけど~?どんな関係の人?」
    「...兄だ。義理の。」
    「そうなのか。仲良いんだな」
     すごく気まずい。きっとこの女子たちは奥さんとか彼女とかそういう色っぽい回答を期待していたのだ。ガイアとてそうやって回答したい気持ちは山々だが、如何せんガイアの恋人は義兄なのだ。スメールならまだしも璃月と稲妻は同性愛が一般的でないと聞いている。場の雰囲気を悪くすることは避けたい。ガイアは各国のことについて質問し、話題を変えようとしたがその度に「義理のお兄さんってそんなに仲良くなるもの?」「恋人はどんな人なの?」「恋人を差し置いてまで過ごしたい義兄ってどんな存在なんだ?」と矢継ぎ早に質問してくる。話題を変えようとしたがゆえに3人とも余計に興味を持ってしまったようだ。チクショウ。いつものガイアならもっと上手くやれるのに、義兄であるディルックのこととなると思うようにいかない。というかこの3人、考える暇を与えてくれない。
    「騎兵隊長さん、もしかして気付いてない?」
    「何がだ?」
    「ここ、キスマーク付いとるで。随分と熱烈で独占欲の強い恋人がおるんやな」
     宵宮に言われてガイアは咄嗟に首元を隠した。いつの間にディルックはキスマークなんて付けたのか。稲妻に出発する前夜にしばらく会えない分、ねっちょりと責められたのでその時だろう。こんな子どもじみたことは今までにやったことがなかったので完全に気が抜けていた。ガイアはモンドに帰ったらまずディルックに文句を言うことに決めた。
    「ねぇねぇ、恋人のことは何て呼んでるの?」
    「...普通に名前だな」
    「恋人がいることをようやく認めたな」
    「愛称とかないん?ダーリン♡とか」
    「ダーリンはないな」
    「そっか~。何をやってる人なの?」
    「あ~バーテンダーをやってる」
    「お酒好きって言っとったなぁ!その人が作る酒に惚れちゃったん?」
    「まぁ、旦那が作る酒は絶品だな」
    「「「旦那?」」」
     しくった。そう思った時には遅かった。
    「そうかそうか、騎兵隊長さんの恋人はバーテンダーをやってる旦那様なんだな。かっこいいじゃないか」
    「ひゅ~いいねいいね。そういう話、もっと聞かせて?♡」
    「いいと思うで!そのバーテンダーと一緒に花火を見たいんよな?」
    「面白がるな…!」
     宵宮の確信している発言についにガイアは声を荒らげてしまった。アカツキワイナリーの存在は稲妻でも認知されているので、下手に経営者と答えるとディルックと露呈してしまうことを恐れて気を回した結果、ボロが出てしまった。
    「いいと思うで。事情は人それぞれや。国が違えば文化も考え方も違う。アンタを否定する気はないんよ。ただ、仕事が上手くいってないからってしかめっ面のまま過ごして欲しくないんや。今夜は遠慮なんかせずに楽しんでって!」
     しかめっ面をどうにかしようとして話す内容が恋愛事なのはさすが女子である。恋愛事で盛り上がることは万国共通なのかもしれない。精神衛生上はよろしくなかったが、質問されている間はガイアが任務のことから解放されたことは確かだ。
    「今度お義兄さんと一緒に稲妻に来てな。特製の花火を用意して待っとるわ!」
     それはいつになることやら。女子3人はガイアが恋人のことを認めたことで満足したらしい。次は自分たちの恋愛事で盛り上がり始めた。ガイアは女子3人を少し後ろから温かく見守りながら、モンドに帰ったらすぐディルックに稲妻での出来事を話そうと決めた。

     おわり
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