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    @Centraldogma95

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    遥かなるカルディアという創作Skyの小説です。妄想たっぷりです。

    -序章-ある日のこと、アイビーはいつものように書庫を探検していた所、不自然な壁を見つけた、それは何やら風に揺られているベールのようで、手を伸ばすとなんと壁をすり抜けた。
    「……」
    彼女は好奇心を抑えられず、その壁の中に進むと不可思議な空間がそこにあった。書庫は天井から青白い光が降り注ぐ所であり、ここも例外では無いが1つ異質とすれば、ここは赤い。書庫にある記憶や本などは全て青いのに対し、ここにあるのは全て赤く光っている。
    「あらまぁ……。なるほど、所謂あかずの空間…ってところかしらねぇ…。書庫の『汚い』もの達は全てここに押し込まれているのね。」
    見てすぐに分かる、書庫は綺麗なものばかりだった。汚いところなんてひとつも無かった。だがここは‘’汚い”ところだ。アイビー自身は汚いもの・穢れたものが好きだ。むしろそちらの方が好きだった。汚いものに触れること、そして、「汚いものに触れることにより綺麗なものはより1層美しくなれる」と考えている。だからこそ、綺麗すぎる書庫の記憶や文献たちを読む事にアイビーは飽き飽きしていた。そして異質な中の一際異質なものを見つけた。
    鈍い赤色を放つ1冊の分厚い書物を手に取る。
    『これは禁忌である。』
    表紙にはそう書かれており、いかにも『禁忌の書』という重圧感が彼女により一層の興味をかきたたせる。
    「禁忌なら燃やすなりなんなりすれば良いのに…。こんなところにあったら、私みたいな悪い子に読まれてしまいますよ~…ってね。」
    と呟きパサりと頁をめくる。星の子とはなにかそして星の子の“作り替え方”を書いた所謂『実験結果の報告書』が書いてあった。
    『星の子を使った実験報告1。
    この星の子は使命を果たす事が怖いようで、書庫の向こうに行きたがらなかった。この子を実験台にしよう。星の子は他にも沢山いる。誰か1人掛けたって分からないだろう。目印として青いリボンを手首に付けた。
    星の子を使った実験報告2。
    星の子には光のエネルギー源となっている光のコアがある。光のコアは丸くてとても柔らかく、加工しやすいため、様々な形に変形させることができる。例えば我らが硬貨として使っているキャンドルの形になったりなど。集めた光の粒を収容する機能もあることがわかった。光のコアについてとても興味深い…。明日から光のコアについて研究もしてみよう。
    星の子を使った実験報告3。
    他人が光のコアを触ると星の子は気持ち良さそうな…けれども少し拒絶反応があるような反応を示す。擽ったいのだろうか…。ふむ…光のコアには『感覚』があるのか…、興味深い。
    星の子の使った実験報告4。
    光のコアを触り始めてからほしのこの様子が少し変わった。元々この星の子はあまりお喋りが好きではないらしく、星の子独特の鳴き声もあまり出さなかったのが、今は少しお喋りになった。コアとなにか関連があるのだろうか。
    星の子の使った実験報告5。
    光のコアを少し強めに握ったら柔らかいのですごく変形してしまった。星の子もびくびくと激しく痙攣している。元の丸い形に戻さねば。
    星の子を使った実験報告6。
    大変な事になった。実験体になった星の子のコアをどうにか元の形に戻したは良いのだが、性格がまるっきり変わってしまった。とてもお喋りな子になり、今まで大人しかったのが嘘のようにはしゃぐようになった。私は、この子が心を開いてくれたのかなども考えたが、どうやらそうでは無い様だ。私はこの一連の現象を『星の子の練り直し』と呼ぶことにした。
    星の子を使った実験報告7。
    この子は性格が変わってしまった。その事を踏まえて私は1度提案してみた。『書庫の向こう側。使命を果たしに行かないか?』と、するとその子は今まで怖がっていたのが嘘だと言うように。にっこりと笑って使命を果たしに行った。
    星の子を使った実験報告8。
    使命を果たし終わり、転生してまたあの星の子が来た。目印にしてある手首の青いリボンがあるあの子が。
    実験結果。星の子の光のコアを1度でも形状を壊しそしてもう一度形を形成し直すと性格がまるっきり変わる事が分かった。今ではあの実験体だった星の子は友人が沢山いるようだ。私は果たしてこの研究をして良かったのか。これからはこの研究を禁忌と呼んで封印しよう。誰にも目の触れないここなら……。』

    「……ふ、ふふふっ、はははっお馬鹿だわねぇ…こんな大切な本こんな奥にしまい込んで安心してるだなんて…。本当にお馬鹿だわ…。でもこれで…あの子…バベナ、とか言ったかしら。あの子の事を練り直してあたしの好みの星の子に変えてしまいましょう…。センという子は、まぁ、後でいいでしょう。まずはバベナちゃんからね…。楽しみだわ…楽しみだわぁ…ふふふふっ!」
    甲高く笑う彼女は、とてもとても邪悪で、そして。
    「楽しそうじゃねぇか。なぁ…、仲間外れは良くないぜ?あたしも仲間に入れてくれよ。」
    後ろから声をかけられて驚きアイビーは振り向くとそこには……。
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