第4話 邂逅書庫の内部に入ったセンは、とりあえず今持ってる情報を全て報告しようと中央のエレベーターに乗り、最上階の書庫の大精霊が居る所まで来て、書庫の大精霊の石碑の前で書庫の大精霊を呼ぶ。
「書庫の大精霊様…いらっしゃいますか?」
すると石碑は輝いて、書庫の大精霊が現れた。
「お呼びになりましたか?星の子」
「はい、依頼して下さった事の途中経過を報告しに参りました。」
「あぁ、それで、どんな状況ですか?」
「はい、今の進歩は…。」
センは、包み隠さず全て話した。書庫の情報を何者かが知り得て、その情報を悪用している可能性があること。犯人は星の子で2人組、書庫の事を熟知している事。その事に書庫の大精霊はとても驚いた。
「まさか、書庫がこの事件に関係しているだなんて……。」
「書庫は、色々な記憶や文献がありますし…。そう言えば、書庫には禁書的なものは無いのですか?」
「……あります。」
「え。」
「禁書エリアはあります。書庫で行った実験や、この世の裏の情報など様々な情報がそこにはあります。けれど、簡単には行けなかったはず。禁書エリアは、普段は隠してあります。」
「その禁書エリアはどこに?」
「書庫の入口の近くにある2人で開けなければならない部屋のすぐ側の壁です。魔法で周りの壁と変わらないように細工をして隠しています。」
センは、書庫の禁書エリアに立ち入ることを書庫の大精霊から許可を貰った。そこに今回の事件に関係する書物があるかもしれない。
早速書庫の1階へ戻り、禁書エリアが隠してある壁の前まで来た。
「本当だ。他の壁とは全く区別がつかないし、この奥があるのかも分からない…!」
書庫の巧妙な魔法に感動していると突然壁から手が伸びてきた。そして。
「え、」
センをつかみ壁の中へ引きずり込んでしまった。
-禁書エリア-
壁の内部に入ると、そこは異様な空間だった。
赤い書物に赤い記憶。どこまでもどこまでも赤。
その光景に言葉を無くし、当たりを見渡して居ると後から声がした。
「秘密の禁書エリアへようこそ。センちゃん。」
その声は聞いたことのある声だ。
後ろに素早く振り返るとそこにはアイビーとバベナの姿があった。
「君たち…何でここに」
「あら、私達だけではありませんよ」
アイビーに腕を捕まれ無理やり後ろに振り替えさせられる、するとそこには。
「久しぶりだねぇセン。実に100年ぶり、かな?」
「お前……ラル生きてたのか」
「あぁ、図太く生きてきたよ。お前は死んだって思ってたのかもしれないけどな。」
「……」
生き別れた双子の妹がいた。100年も前からどこを探してもいなかったのにまさか…こんな時に再会するなんて!
「ふふふ、感動の再会のところ申し訳ないのだけれど、もう始めてしまってもよろしいかしら?ラルちゃん。」
「んん~?もう待てなくなっちゃったのかなぁ?アイビーは…。いいぜぇやっても。」
「わぁいありがとうございますじゃあ早速」
アイビーに後ろからするすると抱きつかれる。
そして優しくこう囁いた。
「可愛く生まれ変わりましょうね。センちゃん?」