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    ボス癒の折檻と虫嫌いの理由。

    ボス×癒皇 お試し版*ボスと癒皇さんの、癒皇さんだけが喘いでる非エロ 習作
    *話してるのはボスと幹部女だけ
    *謎時系列(たぶんいびゆがうまれる前ぐらい)






    あどけなさの残る柔和な顔つきの男の膝の上には、黒髪の青年といっても差支えのない年齢の男の頭がのっている。
    単純な見た目だけの話ならば、膝枕をしているだけの微笑ましいといえるシチュエーションだがそれで片付けるには青年の目の上には黒い布で覆われていて、口から絶えず流れている悲鳴じみた絶叫があまりにも痛々しすぎる異様な光景だった。
    ああ、またやっている、と何度目かの躾の現場に遭遇してしまった女はそっと肩を竦めて、可愛らしい顔には似合わない無体を強いている上司へ声をかける。

    「戻りました、ボス」
    「やあ、おかえり。息災かな」
    「ええもちろん。貴方の言いつけどおりに」
    「Brava. では報告を 」
    「はい。ですが、」

    女がちらりと青年の方に視線をやると、ボスはわかってるといいたげに鷹揚に頷いてみせた。

    「癒皇、少しうるさいね。静かに出来るな?」

    こちらの声が聞こえているかも定かではない青年相手に無茶振りとも言える指示を出すがもちろん癒皇はそれどころではない。
    ボスの問いの形をした命令に是も非もなく意味有る返答すら出来ない癒皇に、ボスは仕方ないと言いたげに、目には慈愛を浮かべながらそっと癒皇の口元を手で覆うと、ふつりと癒皇の声が途切れた。
    先程まで悲鳴を響かせていた口は変わらず開いたままではあるものの、声だけが一切聞こえなくなった。
    相変わらずいんちきじみた手法だが、癒皇には覿面に効いた。
    女が求めたのは癒皇への無体の終了だったつもりだが、どうやらまだ解放するつもりはないらしい。
    ボスは膝の上の癒皇の顎を猫のように撫でながら、可愛くて仕方がないという表情で見下ろしているがその瞳自体には一切の熱が無く底冷えするようなマイナスの温度を湛えている。
    やっていることと表情が微塵も合致していないところを見るに今回はまだ懲罰のターンなのだろう。
    心苦しいことこの上ないが、一旦膝の上の可哀想な子猫の事は忘れたフリをして、女は上司への報告に戻った。

     ***

    「……以上です」
    「うん、ご苦労」

    部下の文句のつけようのない報告に、ボスは満足そうに頷いて手持無沙汰に膝の上の猫を撫でる。
    その度にどういう感覚操作をしているのか聞きたくはないが、癒皇の背が軋みそうなぐらい逸らされるのを見るに相当エグい事になっていそうなのは察するに余りある。
    本当にあの、可愛い織と以下その一族に対する外部操作権とも呼べばいいのか、本人の意思とは無関係に身体を好き勝手自在に弄れるチート染みた権能が自分は対象外で良かったなぁと心の底から安堵してしまう。
    まあそんなことを思わず口に出せば、「お前もしてあげようか?」と冗談とも本気とも取れない事を言われる事請け合いだ。
    主に癒皇が被害に遭っている所をよく見かけるだけで、たまたま自分達が被害に遭っていないだけという可能性も十分にある。
    この理不尽大魔王のようなボスと平穏に過ごすには、藪をつついて蛇を出すような軽はずみな言動は理性が有る内に避けるべきだ。
    さて、そろそろこの魔王様の愛し子に対する躾は気が済んだだろうか。
    妹のように可愛がっている織は勿論のこと、その末のこどもたちも、女は我が子のように可愛がっているのだ。

    「では、僕が一仕事終えるまでの時間は経ったのですからそろそろ許してあげてはどうです?」

    すぅ、と細くなった目が見定めるように女を見つめる。

    「お前はこれに甘過ぎるきらいがあるな」
    「貴方の可愛い僕に免じる、という事でいかがです?」
    「はは、相変わらず口が上手い」

    ぱん、とボスが手を叩くと癒皇の身体がぐったりと弛緩してぜぇぜぇと肩で息をしている。
    可哀想に、と女はとことこと近付いて黒い髪を撫でた。

    「ところで今日はどのような?」
    「うん?虫と触覚を強化して少々。時間間隔も少し引き延ばしてたか」
    「うわぁ……」

    好奇心で聞いた事を少しばかり後悔した。
    つくづく自分ではなくてよかった。

    「あまりやり過ぎると嫌われますよ。貴方、寵愛と懲罰の手段が全部一緒なんですから」
    「ふふ、心配性だな。有り得ないよ、そんな事」
    「僕は貴方の愛情表現自体は嫌いじゃありませんし理解していますが、幼い子には大人の事情というものはまだ難しいですからね」
    「そうかぁ……」

    ボスの我々に対する所有欲と独占欲は他と比べようがない程凄まじく、また本人の独自ルールに則っているのでひどく独善的だ。
    これを100%理解して受け入れろ、というのも自分はまだしも癒皇には酷な話だろう。
    宥めるように女が撫でているうちに、徐々に落ち着いてきていた癒皇の呼吸がまた不規則に乱れ始める。
    よいしょ、と向かい合うように抱き上げた癒皇の身体を支えながら、肩越しにボスがにこりと微笑んだ。

    「じゃあここからは寵愛の時間にしようか。違いが理解出来るまで教えてあげようね」

    女の耳に第2ラウンドのゴングが盛大に鳴り響く幻聴が聞こえた。
    おかしい、幻術の類は自分の専売特許のはずだったのに。
    戸惑う癒皇の声に艶が混じり始めて、訳も分からず嫌々と本当に幼子のように首を振っているところを見ると非常に申し訳ない気持ちになる。
    ごめんなさい癒皇、やはり僕では力不足だったようです。そもそも彼を止められる人等ここどころか屋敷内にもいないのですがそれはそれ。
    女としてももう少し付き合ってあげたいところだったが、ちらりと盗み見た時計はそろそろ約束の時間を指そうとしていた。

    「ボス、僕はこれで失礼しますね。これから彼とデートなんです」
    「おや、どこまで行くんだ?」
    「最近新しく出来たケーキ屋さんですね。お土産は何にします?」
    「苺の」
    「かしこまりました」

    そう答えて、ボスに手を振って部屋を出る。
    苺はこの子の好物だったはずだ。
    僕と彼にとっても久方ぶりの逢瀬だったが、可愛い癒皇の事を思えばあまり時間をかけないほうがいいだろう。
    しかし、件のケーキ屋は少しばかり遠方に出店したばかりだった。
    恐らくというか比べるまでもなく、先程の懲罰による不快感よりも今の寵愛からくる快楽の方が癒皇にとっても良いに違いない。
    そう信じて、なるべく早く戻る事を心の中で誓いながら待ち合わせ場所へ急いで向かった。

    なお、女がお土産と彼氏を伴って帰宅した際にようやく解放された癒皇を慰めながらケーキを食べさせてみたところ、「あんまり味しない」と返って来た。
    かわいそうに。





    (癒皇さんが虫嫌いになった話)
    ******************
    昔の癒皇さんと保護者達。
    癒皇さん(おじいちゃん)とボス達で年齢が2桁ぐらい違う。たぶん。

    *ボス
    仁さん。
    組織(ファミリー)のボス。
    癒皇さんが何回教えても怪我して帰ってくるので折檻してた。
    手がかかる子程可愛いっていうしな。
    遊郭の癒皇さんが色々出来るのはボスのおかげなので感謝するように。
    最近愛し子達を自慢するためだけの会社(㈱アンティカ)を作るなどした。

    *オルテンシア
    組織の幹部。紅一点。
    織ちゃんの事は妹、他癒皇さん達はもっと幼い子供だと思って可愛がっている。
    現在はラブラブな彼氏がいるので女性でいるが、物心つく前から他人に成りすまして偽りで生きてきたので本来の名前や容姿、性別は本人すら忘れてしまった。

    *癒皇
    特別苺のケーキが好きという訳ではない。
    自分が大事じゃないと思っているものを大事にするってどうしたらいいんだろうねぇ。
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