きょうは父上ととーさまのお友だちのパ、パルテテオさんがあそびに来てくれました。
「言いにくかったら『アニキ』でいいぞー」と笑いながら言ってくれたのでボクもそう呼ぼうと思います。『アニキ』……、カッコいい。
でもとーさまから「そういう呼び方はクリスがもう少し大きくなってからね」と止められたので、『パル兄』と呼ぶことになりました。……ちぇ。
パル兄は父上やとーさまとお話したりご飯を食べたりしてるうちにすっかり夜もおそくなったので、今日はうちに泊まることになりました。
「クリスは俺と一緒に寝ようなー!」
ボクがお返事をする前にパル兄にヒョイッと抱っこされて捕まっちゃった。いつものように父上ととーさまの真ん中で寝たかったのに。
でもパル兄が寝る前にしてくれるお話はとっても面白いから今日だけ許します。
「ん……」
だれかが泣いてるような声で目がさめた。
部屋を出ると、声は父上ととーさまのお部屋から聞こえました。
「パル兄、パル兄」
「ん~……、どした~~?」
「とーさまが泣いてる声がする」
「はぁ?アイツらこんな夜中にケンカでも……、………………あ」
「?」
パル兄はなにかに気づいたようです。
「あー……、ほっとけほっとけ。馬に蹴られたくなけりゃな」
「お馬さん?」
「あ、この前の航海で変なサカナ見たんだけど、聞きたくねーか?」
「聞きたい!」
うちにはお馬さんなんていないのに。
…………変なの。