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    youraku0510

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    クリテメ+オリキャラ息子くんの日常話~テメミの日誌を添えて。
    クリ君とテメの間に子どもがいる(つまり男性妊娠モノ)設定なので苦手な方はご注意を。

    ちなみに作中に出てくる本の題名はパタ●ロから拝借しました。

    いやはや、まさか私が人の親になるなんて数年前までは思いもよりませんでした。
    しかも養子を迎えるとか、里親になるとかではなく、頭の天辺から爪先まで男性である自分がお腹を痛めて出産するなど誰が予想したでしょう。
    しかし、どういった理由があろうとこの子が私とクリック君との愛の結晶であることに変わりはしません。今はただこの奇跡に感謝し、愛しい私達の子の成長を見守っていくとしましょう。
    ……というわけで、柄じゃありませんが今日から日々の出来事を日誌に綴ろうと思います。
    これからたくさんのことを学び、たくさんの人と出会い、一日一日大きくなってゆく我が子の成長を一目たりとも見逃すことのないように。


    注釈・『テメノス・ミストラルの育児日誌』より。以下の文はその一部分より抜粋。


    AM 7:00

    朝食の準備をしていると、クリスが起きてきました。
    「とーさま、おはよーございます」
    うんうん、きちんと朝のご挨拶が出来てえらいですね。
    クリック君に似て寝汚い子になったらどうしようかと思いましたが、そこは似なかった様でよかったです。
    クリスが歯磨きと顔を洗いに行ってる間に、私はクリック君を起こしに行かなければ。
    実は我が家の朝はこれが一番大変だったりする。
    少しはクリスの寝起きの良さを見習ってほしいものです、ハァ……。


    AM 9:00

    朝食を終え、仕事に向かうクリックを見送り、私は読書、クリスは勉強をしてそれぞれ過ごします。クリスは剣よりも学問の方が得意なようです。将来は私と同じ道を進むのでしょうか。クリック君は何も言いませんが、この子を騎士の道に進ませたかったようなので、ちょっと残念がるかもしれませんね。でも、クリスが選んだ道ならきっと彼は迷わず背中を押してくれるでしょう。
    ……この子はいったいどんな大人になるのだろうか。なんて、まだ気が早いですね。

    「とーさま、この本よんでください」
    「えぇ、いいですよ。えーと……『ブレトン・ウッズ体制下におけるEC共同フロートの価格基準とその起動分担』……。……これ、なんですか?」
    「けーざいがく(経済学)の本です」
    ……この子は本当にどんな大人になるのだろうか。


    AM 11:00

    いつもより少し遅れて教会に行ったら、なんとクリスが子供たちに紙芝居を読み聞かせていました。まだ台詞はたどたどしいですが、私のように途中で台詞を忘れることなく最後まで読み終えました。
    知らないうちにあんなに成長していたんですね……。是非ともクリック君に見せてあげたかった……いや、彼が見たら顔面大洪水になって紙芝居どころじゃなくなる、確実に。
    ああ、今ここに目の前の光景を映像として記録できる装置でもあればいいのに。


    PM 13:20

    お昼過ぎに突然パルテティオが遊びに来ました。たまたま商談の為にこの近くを通ったので、ついでに立ち寄ったとのことでした。
    「ほ~らクリス、土産だぞ~!」
    そう言って本やら服やらヌイグルミをこれでもかと渡してきました。
    いや、こんなにあったって家にはもう余分な置き場所もスペースもないし。
    ていうか、それよりも。
    「……この変な仮面はなんですか?」
    「ん?どっかの島の部族が魔除けに使ってたんだと」
    「…………ありがとうございます」

    とりあえず物置にでも仕舞っておきましょうか。もう二度と日の目を見ることは無さそうですが。


    PM 15:35

    パルテティオと入れ違いにソローネさんがやって来ました。
    「……ほら、おみやげ」
    そう言ってソローネさんも、クリスにヌイグルミのお土産を渡してきたんですが……、なんでしょうあのヌイグルミは……。熊……?いや、犬……か?

    「あのロックとかいうオッサンが飼ってる番犬」

    いや、なんでそこチョイスした!?
    ふつう子供に渡すヌイグルミと言ったら、クマとかネコとかウサギでしょう!?
    ……まぁ、クリスが喜んでるしいいでしょう。


    PM 17:30

    買い物を終えて家へ帰る途中、村の入口で仕事終わりのクリック君を見つけました。
    「あ!ちちうえ!」
    クリック君を見つけるやいなや、彼に向かって走り出すクリス。
    「あ、待ちなさい!そんなに走ったら……」

    べちゃっ

    ……あ、やっぱり転んだ。
    「ふ、ふぇ……」
    「クリス!」
    クリック君は急いで駆け寄るものの、予想に反してクリスに手を貸すことはしなかった。
    「痛かったですね、クリス。……でも、ちゃんと自分の力で立ち上がってみようか?」
    「……」
    てっきり泣き出すかと思いましたが、クリスは手の甲でグシグシと涙を拭って……ゆっくりと立ち上がりました。
    クリスに甘い甘いと思っていたクリック君でしたが、父親として意外な一面を見た気がしまし……「クリスーーー!偉いですよーーーー!!」
    ……前言撤回します。

    ぎゅうぎゅうとクリスを抱きしめて頬擦りするクリック君を押し退けて、「はい、クリス。怪我してないか見せてくださいね」と、懐から塗り薬を取り出しました。

    幸い、クリスはどこも怪我をしていなかったようなので、三人で手を繋ぎながら歩いて帰りました。


    PM 9:00

    クリスを寝かしつけてきますね、とクリスと一緒にクリック君が寝室に行って一時間。
    そっと寝室を覗くと、やはりというかなんというか、クリック君も一緒になってスースー寝ていた。
    まぁ彼が寝かしつけの最中に寝落ちしてしまうのはしょっちゅうなので、今さら驚くことでもない。
    「それじゃ、私も今日はもう寝ましょうか」
    ……それにしても、と二人の寝顔を交互に見比べる。
    (ふ、ふふっ……、そっくりな寝顔しちゃってまぁ……)

    「……おやすみなさい、いい夢を」

    ──そして、明日もこの幸せが続きますように。

    そんなことを考えながら、私も目を閉じた。





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