恋を教えて僕は司くんが好きだ。勿論恋愛的な意味合いでの好意である。こんな自分に好かれてしまった司くんは実に可哀想だと思う。最初は黙っていようと思っていたが、到底無理な話だった。より良いショーのために演者側に危険が伴う、リスクのある演出をしてしまう、そんな堪え性のない僕には、我慢できなかったのだ。普段の僕の振る舞いを振り返れば至極当たり前で、分かりやすい話のはずだった。しかし愚かなことにも、僕は無駄に理性に無理を強いた。だから、つまり僕の想いに歯止めがきかなくなってしまったのだ。
僕は優しい司くんに漬け込むような真似をした。事態を深刻化させた、むしろ収集がつかなくなった。
本当にそんなつもりはなかった。ただポロッと言葉が零れてしまっただけだった。
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