帝幻結婚していった男は何人かいた。それは一夜限りだったり何度も逢瀬を重ねて深く愛した人だったり様々だ。
隣に寝ているこの男もまた、私を通過点として世間で言う幸せとかを追い求めて去っていくのだと思うと、今この時間が憎いほど愛おしく思えた。
後始末を終えて寝室に戻ると彼はもういびきをかいて寝ていた。なんとも後腐れなさそうでいい男だと思う。
食事の予定をとりつけた男が一人いる。私と同い年の大変可愛らしい作家だ。LINEの返信をすると、すぐに既読が付き、返信が来る。ふふ、と笑いが漏れてしまう。隣の男はぐうぐう寝ている。
彼氏があと三人くらいいてもいいかな、と思う。そうしたら面白いだろうし、誰かがいなくなっても惜しくないだろう。去られて泣いたことも、去って泣かれたこともあるが、それが本気だったかはよくわからない。
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