この後鬼の力でなんとかしました 呪術師。その仕事は恨みを買われるもので、呪われることなんてしょっちゅうだ。そのたび解呪し、なんてことない風を装う。今回もそのはず、だった…。
「厄介だなぁ」
高くなった声が、ぼくの耳に届く。明らかに自分の声なのに、違和感が酷い。それもそのはず、今は普段の自分の体と違うのだから。狭い肩幅に心もとない手足、柔らかく膨らんだ胸から呪いをかけられたことは明白で。
「でも、なんでこんな意味もない呪いを?」
今の体は、どこから見ても女の子になっていた。恐らく昨日退治した男に呪われたのだろう。ご丁寧に捨て台詞まで吐いていたから。厄介なのは解呪法がわからないことだ。こんな呪い、かけられたこともないし自分でかけようと思ったこともない。ハッキリ言って手詰まりだった。
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