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    ちょこ

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    ちょこ

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    アイドラ小説
    千琴くんと髪の話

    放課後、夕焼けの光が教室に入り込む。日直である千琴と世良は明日の日付を黒板に書いたり、日誌で今日あった授業のまとめを書いていた、もっぱら、日誌を書いているのは世良であったが。千琴は消しゴムでころころと転ばして遊んだり、外を眺めたりしていた。その時書きながら世良はふと、千琴に聞いた。
    「千琴ってさ、髪梳かしてるの?長いし天パでしょ」
    『偶に忘れるかなぁ、世良くんの髪は綺麗だねぇ』
    そう言って千琴は世良の髪をさらり、と触る。触り心地が良かったからか、指先でくるくると回す。そんな千琴に少し笑ってしまう、千琴に触られるのは嫌ではない。
    「俺の場合美容科の先輩に手入れとか教えてもらったりさ、してもらったりしてるの」
    『へぇ、だからなのね。……あれ、俺が触っても嫌がらないの?』
    「ん?」
    千琴がそう言って少し首を傾げてしまった、なんの事かとおもいかけたがすぐに思い出した。あのことを言っているのかと。それは少し前、クラスのとある人が世良の髪を触ったのだ。少しからかいながら、ここの学園では髪が長い男ぐらいいくらでもいるというのに。その時の世良は受け流したが横で見ていた千琴は見てわかっていた、笑っていた世良の目が笑っていないことに。後でそれを指摘されて謝ったな、と。その事を言っているのかと分かった。
    「千琴が触っても嫌じゃないよ?」
    『……そうなの?』
    「そうそう、あ、こっちきて」
    日誌を書き終わり千琴に手招きをする。ブレザーのポケットからいつも使っている櫛を取り出すとそっと優しく千琴の髪を触り、梳かす。
    「痛くない?」
    『痛くないけど楽しい?』
    「人の髪弄るの楽しいよ、妹ちゃんにもよくするし。あぁこの前も……」
    そう言ってマシンガンのごとく妹の話をしだす世良、妹の話をしつつ丁寧に髪を梳かし、少し思った世良は千琴の髪を編んでいく。世良がなにかしてるな、と千琴が思っていると手を離す世良。
    「できた」
    『んー……?三つ編み?』
    「妹ちゃんにしてたからさ、千琴の髪でしたくなって。嫌だったら解いていいよ?」
    『んー、嫌じゃないよ』
    そう言って笑う千琴につられて笑う世良、日直の仕事が終わったため2人で教室を出た。
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