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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    アイドラ

    よその子さんお借りしてます

    以前、初雪に送った曲が縁で初雪と世良一緒に共演して欲しいと先方から要望があった。あの曲を歌ったところは見たことがあったが、自分の思ってた通り、初雪には失恋の曲がとてもよく合っていたし、その後のSNSの反応も中々だった。その曲を作詞作曲したのも世良だと知れ渡ったのも早かった。お互いのスマホが一日中通知で鳴りっぱなしだったのを思い出すだけで笑ってしまう。
    それからだった、初雪と共演しないかとの話があったのは。それに合わせて新曲もぜひ書いて欲しいとも言われ、初雪も世良に曲を是非と言ってくれた。世良はその共演話を快く引き受けてから作詞作曲に取り掛かった。世良は五線譜の紙を見て考え込む、恋愛系の曲にしようとは決めていた。
    曲の参考がてらに恋愛系の小説をパラパラと読んでみる。ふと、目に付いたのは恋が冷めてしまったがそれでもあの初恋を忘れられない女の子の話が目に入った。確か最後は初恋をしていた時の思い出に蓋をして相手とさよならをする、確かそんな話だった。それを見てなにか思った世良は思い浮かんだメロディーと歌詞をさらさらと書いていく。
    夢中で書いていたからかいつの間にか日付が変わっていた、まだ手直しやらなんやらしなければいけないが、大体のイメージ通りにはなった。あとはこれを見た初雪の反応が気になるところだ、そろそろ寝ようとその日は作業をやめた。
    それから何日か経ったある日、会議室に先に来ていた初雪に挨拶をする世良。相変わらず来るのが早いなと思いつつ初雪に歌詞を渡す。
    「先輩、この曲なんですけど……。何かここが変とか、ここもう少しこうした方がいいってのがあったら教えてください」
    「あぁ」
    初雪は黙って紙を見る、どうも初雪に曲を見せるのが些か緊張する。あの時曲を渡した時もそうだった、世良は初雪の顔を見る。相変わらず表情が変わった様子はない。どのくらいの時間が経っただろうか、初雪はこちらを見て口を開く。
    「……珍しいな」
    「……なにがです?」
    「白石が作るからもう少し明るい恋愛ソングかと思った。……寂しくて悲しいな、この曲は」
    「……最初は明るい曲にしようかと思ったんですけど……けど、参考に見た作品がどうもしっくりきたんです。……俺と先輩なら歌えますよ。……嫌でしたか」
    「いや、そんなことはない。白石は凄いな、あの時の曲といいこの曲といい……白石は恋の歌が似合うな」
    「それは先輩こそ。ならそれで進めます」
    初雪の反応を見てほっと胸を撫で下ろす世良、今度はメロディーをつけないとと思いつつ、ちらりと初雪をみて世良は話した。
    「この間のライブ、行きましたよ。俺の歌、あんな凄く歌ってくれてありがとうございました」
    「そうか、お礼を言うならこっちの方だ」
    「……あの曲歌ってた先輩、透明じゃなかったですよ。そんな気がしました」
    「……そうか」
    あの時確かにどこか透明じゃなかった気がした、感情が込められないと言っていたあの言葉が嘘じゃないかと、世良はそう思った。ほんの少しだけ、失恋した時の”悲しい”という感情が見えた気がしたのだ。そう世良が言った時の初雪の顔がどこか少し微笑んだような、そんな気がした。
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    ちょこ

    DONEよその子さんお借りしてます
    二次創作
     その日は、雨が降りそうだと言わんばかりの曇天だった。昨日の天気予報では朝から晴れると言っていたはずなのに、いざ当日になったらこの天気だ。凪は頬杖をついて窓の外の風景をぼぅ、と眺めていた。この調子では晴れそうにない、凪はそう思ったあと椅子から立ち上がり、事務所に備え付けであるミニキッチンへと向かう。お湯を沸かせるくらいは出来るミニキッチンにて、お湯を沸かしコーヒーを淹れた後、コーヒーを飲み外を眺めた。
     何でも屋に定休日はない、依頼が来れば仕事の日になるし、来なかったとしても書類作業をする。ある意味気分で休みが決まると言っても過言ではなかった。そして凪は、二階にいる八重の所へ行こうかと考えていた。八重は朝から体調が優れないように見えた。凪から見たら休んだ方がいいなと感じたため、八重を休ませたのだ。当の本人は大丈夫だと言っていたが、それでも休ませた。依頼主が来る様子はない、なら八重のところに行こうと思った。事務所は二階建てのビルになっており、凪の居る一階は何でも屋の事務所で二階は居室スペースだ。コーヒーを飲み終わったマグカップを流しに置いた後、事務所を出る。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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