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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    ちょこ

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    アイドラ

    よその子さんお借りしてます

    初雪がSNSで世良が作曲した曲を投稿してから幾日がすぎた、世良は弾き語りでよくSNSをつかって宣伝をしたり動画配信をしているが、その頃から【初雪くんが歌ってたあの曲を世良くんのカバーで聴きたい】とコメントが少しずつ増えていた。コメントは毎回ありがたく読んでいた世良だったか、そのコメントを見ては悩むようになってしまった。
    あの曲は自分にとっては【久間田初雪のために書いた曲】なのだ。自分がカバーして歌おうなんてさらさらなかった。あの時確かに初雪と歌ったが、あくまで自分はハモリをいれたり、演奏で入ったくらいだ。だからだろう、自分が歌うのは少し違うのではないかと思った。
    けれど、コメントが増えてるのをこれ以上見逃す訳には行かない。ふと、世良にあるアイデアが浮かんだ。そうと決まればとスマホを取り出しトークアプリを開くと、とある人物に連絡をした。数分後、その相手から電話の着信が。その相手は久間田初雪だ。
    「すみません、忙しかったですよね?」
    「いいや、大丈夫だ。どうしたんだ?」
    「えっとですね、先輩にお願いがあって──」

    後日、小さなスタジオを借りてギターのチューニングをしている世良の元に初雪がやってきた。世良はすぐに気づきギターを傍らに置くと駆け寄った。
    「先輩、今日はありがとうございます」
    「いやいい、まさか弾き語りに参加してくれって言われるとは思わなかった」
    「あの時は通話でしたけど、やっぱりどうしても弾き語りでしたかったなって思いまして。……あと、コメントで俺のカバーで歌って欲しいって増えてまして。なので先輩はハモリとかお願いしていいですか。まず最初は先輩が歌ってって感じで」
    「それはいい、なら準備をする」
    そう言うと初雪は隅の方で発声練習をする、それを見つつ世良はチラリとカバンに入っているクリアファイルを見つつ、チューニングを進める。そして世良と初雪の弾き語りの動画配信が始まった。SNSで事前に言っていたからか動画を見てくれている人達がたくさんおり、コメントも既に溢れていた。
    「みんな〜元気だった? 今回はゲストでRITTERの久間田初雪先輩が来てます! ほら先輩挨拶お願いします」
    「あぁ。久間田初雪だ、みんな楽しんでくれたら嬉しい」
    そう言って少しだけ微笑み胸に手を当て少しお辞儀する初雪、騎士のようなファンサでコメントはすごい速さで流れていく。では早速、と世良はギターを構え、初雪は隣でマイクを手に取って歌い出した。世良が作詞作曲した曲だ。相変わらず綺麗な声だ、と世良は思う。初雪をちらりと見る、初雪の声は世良から聞いても温度を感じていた。本人は自分の歌い方を真似したと言っていたが、真似くらいで温度を感じ取れるか? とあの後考えていた。けれど、今の初雪の歌は、自分の心にほの暖かく温もりとして伝わっていく。あのどこか無機質で温度を感じない歌ではない。
    ふと、世良はなんとなくだがわかった気がした。あぁ、これが初雪のHackの一部なのではないかと。世良はある仮定を出した、もしかして自分が今まで初雪の歌声を無機質だとか、感情がないだとか思っていたのはHackを出し切れてなかったからではないか、と。本当は初雪は雪が溶ける温もりのような歌を歌えたのではないか、と思った。あの時分からなかった答えが出た気がした。
    そして初雪が歌い終わるとコメントが一斉に溢れた、すごく良かった、泣いた、など色んなコメントが流れていく。それを見てどこか嬉しそうに笑ってるように見えた世良。
    「先輩、相変わらずいい声ですね」
    「そうか? そうだと嬉しい。次は白石だろう。コメントを送ってるファンの皆も待ってる」
    「はいはーい、俺カバーは今回の配信限りだから皆ちゃんと聴いてね!」
    世良はそう笑ってギターを弾きながら歌う、歌いながらやはりこの曲は初雪が歌ってこそだなとふと思ってしまう。やはりこの曲は久間田初雪だからこそ輝く、そう思ってならない。世良が歌い終わり、コメントがまた活気で沸く、その時世良はクリアファイルから五線譜を取り出す。初雪はなんだろうかと見ていた。
    「白石、それは?」
    「今日のために作詞作曲しました。先輩が歌った曲に対比する曲……と思ってくれれば。先輩のために書いた曲が失恋ソングなので、俺のは恋する曲を書いてきたんです。いまから歌います、皆も聴いていってね」
    これはなにも告知してなかったためコメントも驚いていた。初雪もまた、あまり表情が変わらないように見えたが、驚いてるんだろなと世良は笑いつつギターを弾きながら歌い始めた。

    それは世良の言う通り、恋する曲。初恋をモチーフとした曲だった。どこか初雪の失恋の曲とリンクするところがあり、コメントでは既に考察している人達もいた。初雪は雰囲気で感じ取り、ハモリを入れたりした。それを聞いて優しく笑う世良。世良の歌っている眼差し、声、ギターの音。それらは初雪の耳に暖かく入り込む。ふと、誰かのコメントが流れた。
    【初雪くんが恋の終わる歌が似合うなら、世良くんは恋の始まる曲が似合うんだね】
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    ちょこ

    DONEよその子さんお借りしてます
    二次創作
     その日は、雨が降りそうだと言わんばかりの曇天だった。昨日の天気予報では朝から晴れると言っていたはずなのに、いざ当日になったらこの天気だ。凪は頬杖をついて窓の外の風景をぼぅ、と眺めていた。この調子では晴れそうにない、凪はそう思ったあと椅子から立ち上がり、事務所に備え付けであるミニキッチンへと向かう。お湯を沸かせるくらいは出来るミニキッチンにて、お湯を沸かしコーヒーを淹れた後、コーヒーを飲み外を眺めた。
     何でも屋に定休日はない、依頼が来れば仕事の日になるし、来なかったとしても書類作業をする。ある意味気分で休みが決まると言っても過言ではなかった。そして凪は、二階にいる八重の所へ行こうかと考えていた。八重は朝から体調が優れないように見えた。凪から見たら休んだ方がいいなと感じたため、八重を休ませたのだ。当の本人は大丈夫だと言っていたが、それでも休ませた。依頼主が来る様子はない、なら八重のところに行こうと思った。事務所は二階建てのビルになっており、凪の居る一階は何でも屋の事務所で二階は居室スペースだ。コーヒーを飲み終わったマグカップを流しに置いた後、事務所を出る。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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