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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ
    よその子さんお借りしてます

    琥珀は胃痛と一緒に頭痛を引き起こした体をなんとか起こしつつ、目の前で自分に話しかける女性からどうやって逃げようかと考えていた。事の発端は仕事の連絡の返信のため道の隅で泊まってスマホを弄っていた時だ。その時は声をかけられたのだが、まさか自分にかけたとは思わずついそのまま反応をしなかったのだが、思わず身体を触られつつ声をかけられたので思わず顔を向けたのだ。
    顔を向けた時、目の前にいる見知らぬ女性がこちらをみてニコニコとしている。女性は誰が見ても美人と言えるであろう分類に入る。綺麗に巻いた茶髪の髪にしっかりとメイクをし、爪は綺麗にネイルをしている。だが琥珀はさすがにそこまで気づかない。思わず身体を震わせてしまったが、なんとか声を出す。
    「え……と、どなたでしょうか」
    「お兄さん今時間あります? 今こういうキャンペーンをしてまして……あちらのカフェで少しお話でも」
    もしかしてこれはキャッチセールスではないかと琥珀はすぐに気づく。女性は琥珀の反応を見るかのようにじっと見てくる、琥珀は既に胃痛でどうにかなりそうだった、とりあえず断ろうと口を開く。
    「あー……大丈夫です。興味無いので……」
    「いえいえ、お話だけでも」
    「いや、あの……」
    思わず誰か助けてくれ、と願った時二人の間に誰かが割り込んだ。琥珀はその後ろ姿で誰か分かった。ベトリューガーだ。なぜ彼がここにと琥珀が戸惑っていると、彼は琥珀に耳打ちをしてから女性に話す。
    「うちの弟になにか」
    「弟……? あぁ、お兄様でしたか?」
    「あ……に、兄さん」
    彼が琥珀に耳打ちした事は「話を合わせて欲しい」との一言。彼から弟という単語で兄弟と偽れと察した琥珀は合わせた。合わせたのだが、少し兄弟と偽るのは難しいのではないかと思った。彼とはあまり歳の差はないが、まず見た目からどう見ても兄弟には見えない。現に女性は琥珀と彼を見て怪訝な顔をする。
    「ご兄弟……にしてはあまり……」
    「……あぁ、兄さんとは腹違いなんです」
    「弟を探してたのでここで失礼します」
    そう彼が言うと琥珀の手を取りさっさと歩き出した。女性から逃げるように人混みの中を歩く、琥珀は彼が助けてくれて良かったと安心していた。先程まで嫌なほど感じていた胃痛も頭痛も少しだけ和らいでいた。少し歩いて近くにあったベンチに二人で座る。
    「……ありがとう、助かった……はぁ……」
    「別にいいですよ、その代わり何かご馳走してくれたら」
    彼の言葉に考える琥珀、ふと、たしかここの近くにパン屋があるのを思い出す。店の見た目からではパン屋とは分かりにくいが、店内の奥では買ったパンを食べる事が出来たはず。そしてそのパン屋には彼の大好きなプレッツェルがあるのを覚えていた。いつか彼をここに連れていこうと思っていたため、丁度いいと思い琥珀は口を開く。
    「……なら……あぁ、この近くにパン屋がある。そのパン屋、店内で食べれるからそこにでも」
    「そこ、プレッツェルあります?」
    「もちろん」
    琥珀の言葉に嬉しそうに笑う彼は早く行こうと琥珀を急かす、琥珀はそんな様子に笑いつつそのパン屋を目指して二人で話しながら歩いた。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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