パジャマパーティー 学園の寮、ニガメは目の前の扉にむけてノックをする。するとばたばたと足音が聞こえた後、扉を開ける音が聞こえた。
「おー! よく来たな!」
「お邪魔するよ」
ワイドTシャツのロングワンピースのラフな格好で出迎えたのはサンダインだった。今日は彼女の部屋でパジャマパーティーなるものをする、相部屋なのだが、彼女と同室のウマ娘は、今日は別のウマ娘の所に自分たちと同じようにパジャマパーティーをするらしい。ウマ娘の間では、パジャマパーティーが流行っているのだろう、とニガメは笑いつつ部屋に入った。
とりあえず着替えなどもってきたニガメに先に風呂に入ってもいいと言われ、先に入ることにした。お風呂から上がったニガメの格好は、触り心地の良さそうなサテンシャツタイプのパジャマだった。
「お前寝巻きもそんな感じなんだな」
「君みたいな格好もしてみたいけどね、似合わないかなって」
そう言いつついつの間にか用意していたのかテーブルには甘いお菓子や、しょっぱい味のスナック菓子など用意されていた。ニガメもお土産として美味しそうなお菓子を選んできたため、テーブルに置く。
「うわ、これ超人気のプリンじゃん」
「今日を楽しみにしていたからね」
お互いの顔を見て笑いつつ、テレビを見てプリンを食べ始める。テレビではなにやら恋愛観の話をしていた、ニガメはちょっとした好奇心でサンダインに聞く。
「君、恋愛とか考えてるかい?」
「……まさかニガメの口からそんな言葉出るとは思わなかったわ……。そういうお前は?」
「はは、全く考えたこと無かったな」
ニガメは思わず笑って飲み物を飲む。本当に考えたことがなかった、それよりも、目の前の相手とレースでとことん走りたいのだ。
「そういや、後輩からよくモテるよなニガメは」
「そういう君もだろう? 王子様って呼ばれてるらしいよ」
お互いに笑いつつテレビを見る、ニガメはサンダインの前ではいつもみたいに男らしい振る舞いをしなくていい事に気楽さを覚えていた。この時だけは、ただの普通の女の子である自分になれていたのだ。
ニガメは、面白そうにテレビを見るサンダインの横顔を見て笑った。